JUNONの小説大賞(?)を受賞した小説をベースに作られた映画、2008製。原作は鹿目けい子さん、監督・脚本は、深川栄洋さんで、「体育館ベイビー」と「同級生」の二本なんだけど、登場人物とものごとのあった時間と場所がほぼ一緒、でもパラレルに、ちょっぴり違ったエピソードと視点で描かれた二作品。GEOから借りて見た。
 
 
 
先に見たのは「同級生」。主人公の柴原潤(中村優一・仮面ライダー電王)は、高校3年生。高校の水泳部で競泳を頑張っている。部活の顧問はお父さん(渡辺いっけい)で、二人暮らしなのだが、あまりしっくりしていない雰囲気。お父さん、口下手そう。息子が可愛くないわけではないものの、上手く表現できていない。
彼はインターハイ代表を決める試合で惜しくも同じクラスの村井直樹(高橋優太)に敗れ2位となるが、ゴールのあとに気を失ってプールの底に沈む。引き上げられ検査を受けた彼が知らされたのは、心疾患・肥大型心筋症があるので、命にかかわるからもう激しい運動はできないという過酷な宣告。水泳で某大学への推薦入学が確実視されていたのに、お父さんは、村井を推薦する、早く受験勉強に勤しんだほうが得策だという。
 
失意の潤がプールにいくと、後輩たちが噂話をしているのを聞いてしまった。
柴原先生は自分の教え子に手をつけて、子供までつくったのに結局結婚しなかったのだとか、その子が潤だとか、逢引の場所が体育館の準備室だから潤は体育館ベイビーなのだとか。(-_-;)花も恥じらう?女子高生がそんなひっどい話をケタケタ笑いながらよくもするものだと呆れるが、そこへ来た村井が「柴原?」と声をかけると、みんなはっとして黙る。
村井はなんとか潤に自分のコーチをしてほしいと言い、潤はそのためにまたプールに通う。
 
彼のケータイ(当時なのでもちろんガラケー)に、突然見知らぬ人からのメールがくる。このアドレスを使おうとしたら既に使ってる人がいたから、メールしてみましたと。その相手は同じジュンという名の札幌の女子高生で、誕生日も(メルアドに使ったくらいだから)同じだといった。潤とジュンはそれからメールしあい、励ましあうようになる。星を見るのが好きで、将来は女優になりたいと小学校の卒業文集に書いたジュン。彼女が東大文Iを受けると聞いた潤は、自分も、と、担任の先生(藤澤恵麻)に東大でどの学部が一番入りやすい?ときき、理IIを受験する決意を固めた。(すみせんね、理IIだってえらく難しいのにね。(^^;)だいたい3年まで部活やってていきなり東大ってさ。予備校にも塾にも行ってないし、無謀と言われそうなんだけど。)
 
 

この写真、卒業式の1コマ(式なんだからネクタイちゃんと締めろと誰も言わないのか?)。潤のうしろに村井役の優太君、一番前に幼馴染の加藤君こと久保翔くんが映っている。優太君と久保君は、2006度のJUNON BOY にグランプリではないが選ばれていた。

 

席替えで潤のとなりには、一学年上で水泳部だったけどずっと入院していて登校していない早川さんがあてられた。隣になった人が早川さんの面倒をみるようにと先生に言われ、(実は先生と早川さんは悪く言えばグル)潤は病院にプリントの束など届けに行く。同じ学校の妹(桜庭ななみ)に車いすを押された彼女(桐谷美玲)は、結構潤に厳しい。人は出会えば別れはつきものだとか、生きるとか死ぬとか簡単に口にするなとか言う。クラスメートが折った千羽鶴も受け取り拒否。

 


 

何だあいつ、と腹を立てる潤だが、その後も時々先生に用をいいつけられて病院に行く。しかし彼女はそのたびに弱っていっているようで心配だった。また、潤のジュンに対する気持ちは恋となって募っていった。会いたいよという潤にジュンは誕生日の3月10日まで待ってという。
どうしても会いたくて札幌行きの航空チケットを用意した潤に、ジュンはちょうど今東京にいるからプラネタリウムで会おうという。喜んだ潤だが、彼女は一日待っても現れず、その後は連絡も取れなくなった。苦悩するも勉学に頑張る潤。
そしてとうとう先生が潤に「早川さんが亡くなった」と涙をためて告げた。「お葬式は?」ときくと、「3年生は来なくていい、教職員だけでいくから」と。そして潤は東大を受験し、なんと理IIに合格した。(@_@)
受験を終えた潤は先生と一緒に早川さんの弔問にいく。その遺影の下には彼女の小学校の卒業時の作文が。それに子供のときの潤の写ったスイミングスクールの集合写真も。それを見て、はっと気づく。ジュンは実は早川さんだったのだ。妹は彼を姉の部屋に案内し、天体望遠鏡や天体観測の本の並んだ部屋で、水泳の得意なあなたは喘息で水泳をすすめられていた姉にとって、昔から憧れのヒーローだったという。彼女はプラネタリウムに行きたかったが体調悪化で動けなかったのだ。担任の先生は、早川さんが潤を励ましたいと思っているのを知っていたので、ほかの生徒にきいて潤のメルアドを教えたという。
 
卒業式の日、教育委員会と校長の計らいで、早川さんにも卒業証書が渡された。早川希と呼ばれたときに、いきなりはいと返事して、彼女の遺影を胸に代理で証書を受け取ったのは潤だった。
3月10日、誕生日の夜、潤は部屋で望遠鏡で星を見ていた。(あれ?早川さんの形見分け?)そこに入ったメール。短い動画が添付され、ひらくと、ジュンこと早川さんが、ベッドで苦しそうな息をしながら、潤に誕生日おめでとうと言ってくれた。泣きながら窓辺に寄る潤。
あと一年は、僕たち、同級生だね・・・。
                  
 
潤は、水泳選手はやめたものの、子供たちに水泳を教えていくことにしたのだった。
 
 
 
イケメンの中村君、愁いのある表情がなんとも魅力的だった。主題歌も彼が歌っているが、そっちのほうは、なんとも・・・・。(^^;)