浜尾京介くん主演の劇場版メサイア〜漆黒ノ章。
ほかにも映像作品があって、アマゾンのDVDカテゴリでみると浜尾君の名前は銅の章にもある。そのほかの章もあるけど、キャスト名の前のほうにあがってきてないから、でてないのかも。GEOで借りられるDVDには彼が出ているのはこの漆黒の章しか見つけなかったから、これを借りてみた。原作者は高殿円さん。私はほぼ知らなかったけど、純文でなく大衆文学のほうで何冊も小説が出版されている。あまりに情報が少ないので困ったときのWikipedia、浜尾君は漆黒、銅、白銀の章に出ていた。メサイアは、2010に角川の通称ボンカフェというSNSで始まったWEB小説だったらしい。でも、関連する舞台・映画・テレビドラマ・CDなどの作品ができて、それらはメサイア・プロジェクトと呼ばれ、角川からうつって別の会社が手掛けるようになったらしい。
時代社会設定は、そう遠くない将来、世界的に軍縮が進められたため(それだけ聞くと大いに喜ばしいのだが)それまでの「軍」が警察に組み入れられたり、世の戦が武器ではなく情報戦になったり、テロリストがやり方を変えてまだ活動を続けたり・・・と、結局やはり世情は平和で安心安定というわけでもないのだった。
そんななかで日本でもスパイ組織サクラというものができた。警察省(庁ではない)特別公安第5係として。サクラは桜の意で、つまり任務を遂行し、場合によっては潔く散れということだ。(特別殺人許可も得ていると)。彼らは戸籍や各種個人データも検索されないよう抹消され、その候補生(今作の登場人物たちの立ち位置はここ)はチャーチといわれる(全寮制の学校と言えば祠堂学院みたいだが(^^;))造りが教会みたいな建物に住んでいて、日々訓練と任務を行っている。彼らは任務の途中で負傷しても、救ってもらえないし救ってはいけないことになっている。ただひとり、メサイア(救世主)と呼ばれるバディを除いて。ただ、メサイアが相手を助けるのは権利であって義務ではないらしい。うーん、難しいぞ。(-_-;)あまりつっこんではいけない設定なのだな。



浜尾君の役は、司馬柊介(シバシュウスケ)。優秀な国際検事だったのに、ある大きな事件にからんで、敵(どうも「北方連合」と言ってるから、かの国らみたいに聞こえるが架空の国・・・でもわかりやすく悪い権力の象徴とされている)に陥れられ、他の検事のように北に殺されるかそれともサクラに所属するかしかなくなってしまったらしい。
礼拝堂に集まるサクラ候補生のメンバーは(革地とジャージをはぎ合わせたぽい大げさな制服をつけている(^^;))みなそれぞれにのっぴきならない事情を抱えてサクラになったようだが、みな若くイケメンである。そのなかでもシバはダントツに頭が切れるようだ。(でもみんな凄い。ぱらぱらと出ては消えてゆく人の顔写真をみて、何人分あったかと訊かれると、「48枚」「いや〇番と△番が同一人物だったから47枚」などと答える。次の街頭防犯カメラの映像では、「さっきの◇番の人物が子供を連れてカメラ◎に映っていた」とか言うのだ。)
ある日チャーチに警報が鳴り響く。また、換気口の蓋が外された跡が見つかる。(犯人は外部から侵入したとは思いにくいが。)そして、とある案件に関わる重要なハードディスク数枚のうち一枚が持ち去られていた。そのディスクを奪還すべく、サクラ候補生の中から選抜されたメンバーがとある会社に乗り込む。
いつもの教官(負傷してサクラを引退し教育係になった一嶋・イチジマ)が警備員に扮し、チームの一部が背広で一部が作業着で、設備の保守点検といって潜入するのだが、既にそこには敵の手が待ち受けていて、バトルもするがこちらは簡単には相手を殺傷しないのに(殺人権は認められてるけど)、あちらは容赦ない。サクラのチームの五条颯真(ゴジョウソウマ)のメサイア楠瀬が早々にやられて廊下に倒れているが、シバは周囲の監視カメラ等複数に爆弾が仕掛けられているのに気づき、助けようとするソウマを力づくで引っ張って逃げる。結果、そのビルの上階は爆破により火を噴いた。ミッションは失敗し、人的損害も出た。
このことからソウマはシバについて恨みを感じていた。
しかし、教官はソウマに今メサイアのいない(つまり亡くした)シバと組むように言う。なんでこいつと!?こいつは俺のメサイアを見殺しにした奴じゃないか。(規定からすればシバに落ち度はないが)
下は授業のときのシバとソウマ。メサイア同士で座るようにいわれて並んで座っている。

次の任務は、先回の失敗したミッションに関わるものだ。選ばれたのは精鋭のこの4人。

まず、シバとソウマがターゲット(テロリストの一人・以前は社会ジャーナリストで政界か警察省の大物の息子らしい檜賀山)を尾行。海棠鋭利(カイドウエイリ・写真右から2番目)はライフルを構えて遠くの高所から二人の居場所をモニター。右端の御津見珀(ミツミハク・記憶力と変装の達人))は遊軍としてエイリと二人と連絡しつつ離れて追う。
写真は路地で振り返ったターゲットから身を隠すシバとソウマ。(ソウマはまだ嫌がっている)
シバも自分のメサイア堺を失っていて、そのことが心に傷として残っていて時々うずくのだが、それは表に出していない。至極冷静で真面目だ。
シバは仕事上陥れられる危険はあったとも言えるが、ソウマ自身にはそんなこと思いもよらなかった。ただ子供が好きで、子供の養護施設で働いていただけだった。しかしそこが「北」の運営する施設で、職員みんなが北のスパイで、子供たちがそこで人体実験をされていた容疑で捕まってしまった。身に覚えはなく、ただ子供を守りたかっただけなのに。収容所または刑務所に送り込まれるか、サクラに入るか、という場面で、ソウマにも選択の余地はなかった。
教官は、きみたちふたりはいいメサイアになれると言うが、納得いかないソウマはシバについて調べ始める。(先生は教えてくれないから)そういうとき頼れるのは、チャーチを隠すように同じビルの地上路面にある町中華屋の、ひとくせもふたくせもあるような料理人たちなのだった。
昔、人気のテレビドラマで、「アンタッチャブル~大江戸捜査網」というのがあった。*
江戸時代のお江戸が舞台なのだが、時代劇によくある「決め台詞」とか「キャッチフレーズ」というのがあって、(「この印籠が目に入らぬか、ええい頭が高い、控えおろう!」みたいな(;^ω^))それはナレーションによる、「死して屍(しかばね)拾う者なし」×3(3回リピート)だった。どうにもそれを思い出してしまう。まあ公安も隠密も似たようなものか。(^^;)って、大江戸捜査網が隠密だったかというと違うような気がする。(;´Д`)
ハクはいつも糖分を補給していて、部屋はベッドの上までチョコだらけだし、授業(?)中も尾行の時も紙パック飲料を咥えているのだが、ある時ソウマがプリン味の飲料を頼まれて買って帰るとき、公園で子供のケンカを仲裁しているシバを見かけた。今までシバの笑顔を見たことのないソウマだったが、優しい笑顔で子供を諭しているシバを見て、ソウマの心は動くのだった。
*・・・・「隠密同心」大江戸捜査網だったので、(モデルはアンタッチャブル)やはり身分は隠密。
(すなわちスパイ)。このナレーションは、「隠密同心 心得の条」として、「ひとつ我が命我が物と思わず 武門之儀飽くまで陰にて己の器量を伏し」・・・と続くうちの最後の部分。