漫画では見ていない「きのう何たべた」。(^^;)去年か一昨年ころ、評判をきいて、BSテレ東の連ドラで見ていた。お正月の特番では、ケンちゃんがシロさんの実家に挨拶に行けて、ああよかったと思ってたんだけどなあ。

 

よしながふみさんの漫画が原作で、弁護士で法律事務所に勤める筧史朗(シロさん)と、美容師で美容院に勤める矢吹賢二(ケンジ)は、都内の2LDKのマンションに同居している中年カップル。シロさん(西島秀俊)は見た目通り堅実で、料理上手。仕事帰りに行きつけの激安スーパー「中村屋」で買い物してきて、手際よく美味しいものをつくる。倹約家だし、特売大好き、中年だからカロリーや脂質にも気をつけなきゃと思っている。持ち物も、いいものを丁寧に使う気質。

一方眼鏡のケンジ(内野聖陽・可愛いのでついケンちゃんと呼んでしまう)は、いつも派手めカジュアルな服装で、(センスはいまいち。(^^;))カロリー高めのメニューが大好き。あまり貯金とかには興味がなく、いつもシロさんにたしなめられている。でも気立てがよくて、気持ちに連れて表情や声色がよく変わり、うっすらヒゲが生えていても、見ていてなんともかわいらしい。(o^―^o)

シロさんは堅い仕事なこともあって、街でケンジと歩くときも少し離れたりして、ちょっとツンデレ。でもケンジはちゃんと弁えてはいるけれどもデレ。あと、お話にはゲイ仲間(?)で、割とお金持ちの山本耕史の「小日向さん」と、磯村隼人(デイトレーダー)の「ジルベール」こと航くんのカップルがいる。

下の写真は、先日行った登米市にあった、「おかえりモネ」の展示。等身大写真パネルで、モネの父役の内野さんの向こうに朝岡気象予報士の西島さんを入れたショット。この2つのドラマ、俳優の二人と脚本の安達奈緒子さんが共通してるのよね。モネでの内野さんは本当にいいお父さんだった。そして「臨場」でも「何食べ」でも、それぞれ全く違うキャラクターを演じきれてるのが素晴らしい。初めて彼の存在を知ったのは朝ドラ「ふたりっ子」のとき。甘いルックスのイケメンではなかったけど、素敵だった。

 

 

いっぽう西島さんを初めて知ったのは、「私ってブスだったの」というドラマ。松田聖子が主演でその相手役だった。またこのドラマのビデオでもあったら見たいのだけど、どうも見つからないから作ってないのかな?それにしても彼は鼻が高いのだが、これは天然のなのだろうか?(失礼)(;´・ω・)

この映画のお話は、秋、ちょうど今頃から始まる。ケンジの誕生日祝に、京都に旅行しようかともちかけるシロさん。ケンジは大喜び。だってシロさんは絶対今まで一緒に旅行なんてしなかったのだ。「彼氏と京都旅行なんて、乙女の憧れだよ~」(⌒∇⌒)と。

 

 

写真は映画のシーンではなく前に私が行ったときの南禅寺奥の水路閣。(うつってるのは、たまたまそこにいた人なので気にしないでください。)シロさんとケンジはここで通りすがりの奥様たちに頼んで2ショットの記念写真を撮る。2時間サスペンスドラマでよくここで船越英一郎氏が犯人を追い詰めるとは、知らなんだ。そうだっけ?私は水路や水道橋やアーチ橋が好きなので、神社仏閣よりも琵琶湖疎水のインクラインを見たいと同行した友人に頼んだのだった。(^^;)

シロさんのエスコートでとても楽しい京都の旅だが、でもふっとケンジには疑いの気持ちがよぎる。「なんで?なんでこんなに優しいの?」もしかして、これを思い出に別れるとか?それとももうシロさんは病気で長くないとか?(;^ω^)・・・・たはは。でもこれは、実家の母に、もう矢吹さんを家につれてこないでと言われたシロさんの罪滅ぼしのプレゼントだった。あーあ。(-_-;)

制作サイドは、前回特番の実家行きを二人の結婚ととらえ、今回の劇場版を二人のその後の結婚生活と考えて作ったという。今作では、なんだか二人の安定した仲の良さが随所に見えた。ほかの若い人たちのBLものと違い、ハグもキスも出てこない。ていうか、シロさんはケンちゃんがそうしかけると逃げてばかりだけど。(^^;)結局シロさんは(ケンジを連れていけないなら)もうお正月には実家に帰らないと決めた。

一方、マンションの契約更新の時期になり、継続でいいよなというシロさんにケンジはちょっとためらってから承諾する。いぶかしむシロさん。それは、家を出て気ままに一人で暮らしていたケンジの父が亡くなって、実家(埼玉)に帰ったケンジに、母が自分で営む美容院を継がないかともちかけたからだった。いかにも田舎(失礼^^;)にありそうな、ご近所の中高年の奥さんたちが常連となっている感じの、居心地よさそうな美容院。近くに住むケンジのお姉ちゃんたちも気さくで、シロさんの写真を見てイケメンだと騒いでいる。いい感じの家族だ。でもケンジは自分よりシロさんのことを一番に考えるのだ。

そしてシロさんがケンジの身を心配するようなできごとも起こる。

 

・・・・これは、見ている途中では時々あははと笑い、見終わってからは気持ちがほっこりしているいい作品だったと思う。今回もおいしそうな料理のレシピ(田中美佐子さんの披露するのも含め)がたくさんあった。メモしたかったけど、映画館の暗闇でそれは無理ね。(^^;)だけどシロさんが黒豆を煮るとき、「土井善晴先生のやり方ではこれだけど、本当はもっと手間がかかるんだ」みたいなことを言っていた。私も土井先生の手順を簡略化した料理が大好き(土井先生のファンでもある)なので、先生のレシピを検索しよう。

最後に、お花見弁当の中に、筧家の肉団子が登場するが、それはシロさんがお母さんに教えてもらってケンジのために作った肉団子だった。お母さんは言った。「あなたはあなたの家族を一番大事にしてね」。つまり、お母さんは、ケンジを見ると現実が身につまされてショックではあるが、ケンジを息子の配偶者として認めてくれているのだった。

満開の桜の下でお花見をする二人。肉団子をほおばって幸せそうなケンジとのおだやかな幸せをかみしめるシロさん。いいなあ。(o^―^o)