ちょうど今日は七夕の日だから、タクミ君シリーズの第4作「pure」を書いてみようか。
タクミ君シリーズは、長く続いた物語だし、祠堂学院はBLの華やかな学園みたいだし、(;^ω^)群像劇として挿入エピソード(スピンオフというかな?)もいろいろあるようだ。この4作目では、ギイ(崎義一)とタクミ(葉山託生)は物語の中心ではなく、ポスター最上段の三洲新(みすあらた)と真行寺兼満(かねみつ)をメインに展開する。それに真ん中の段の右の二人、高林泉と吉沢道夫のカップルの話も混ざる。高林って、長髪の斎藤ヤスカ君が第一作と第二作で演じていたのだが、今回は二人そろって役者が交代。斎藤君は第3作でまた違う役で出てくるからややこしい。(^^;)
冒頭で、3年生のタクミと2年生の真行寺が七夕の笹に学友の願いことを書いた短冊をつるしている。生徒会の行事らしい。男子高校で七夕とは、風流な。(^▽^)前作まではかなりうざったかったタクミの髪の毛が、今作では短くなっていて、もっと可愛らしくなった。真行寺は三作目ではもっと男の子っぽいルックスと話し方の子だったが、今作では代わってやや女顔というか泣き顔のかわいい子である。サムライみたいな名前で剣道をずっとやっているようなので家もそういう家なのかも。
その真行寺は、今はタクミと同室の生徒会長三洲に受験のときに親切にしてもらい(当時三洲は相楽先輩に言われて試験監督をしていたらしい)、そのときからずっと三洲に一方的に恋をしている。生徒会室にお邪魔しては執務中の三洲にじゃれつき、口移しでチョコレートの受け渡し(むむ・・・)などしているが、ツンデレ(デレ抜き)の三洲からは恋人ではなくペット扱いされているし、キスも真行寺からはできないルールらしい。そんな真行寺が三洲のことをのろけたり愚痴ったりできる相手はタクミしかいないので、彼はタクミになついている。タクミは人のうわさ話をしたり聞いたりしない性質なので、三洲にとってもいいルームメイトである。
いっぽう王子キャラの美少年高林は今は取り巻きもおかず、実直な吉沢との仲は公然となっている。天文学の大好きな高林は、七夕の日曜日が最終日である天文台関係の展示と講演会に行く予定だが、吉沢の弓道の試合の日程が被ってしまった。部の仲間は高林が応援に来てくれるなんていいなあと言うが、吉沢は遠慮深い性格だし高林が好きなので、気にしないで展示に行くように言う。でも高林にはそんな吉沢のものわかりのよさが少し物足りない。
昔ギイに熱をあげていた(それでタクミをいじめたこともある(;´∀`))高林はギイの部屋に相談にいく。同じころ高林の部屋を訪ねた吉沢は、高林のルームメイトからそのことを聞き、ギイの部屋に行くが扉を叩けない。翌朝吉沢は三洲にギイとタクミの最近の様子について尋ね、三洲からは今高林はお前にべたぼれなんだからギイなんか気にするなと言われる。でも吉沢はギイを呼び出して何の話をしたのか訊くも、逆に高林とどうしたいのかと問われ、ずっと付き合っていきたいから束縛したくないんだと言う。そのことをちゃんと高林と話し合えとギイに言われ、本音で語り合った吉沢と高林は、お互いの信頼を深め合うのだった。
三洲は生徒会主催の音楽会を6月28日に学園で催し、スペインから来日する著名な音楽家をそこに破格の安い予算で呼ぶのに、ボランティアで通訳してくれる相楽先輩(しかも音楽家の宿泊先は先輩の実家のホテルチェーン)と何度も親しげに電話でやりとりしていた。そのようすを離れて覗って、やきもきする真行寺。いつも三洲を見かけると「新さん」とじゃれついていた彼だが、諦めようとする気持ちから、なんとなくよそよそしい態度になっていく。音楽祭は無事成功したが、三洲は受験勉強と生徒会のための過労で(おそらく低血圧による脳貧血をおこし)倒れてしまった。でもその三洲を相楽先輩が介抱したため真行寺は何も手を出せない。
写真は音楽祭後のいつもの3人。赤池は風紀委員長らしく制服の着方も違う。二階の窓から下の道で倒れた三洲を目撃したが、物陰で固まっている真行寺も見つけ気遣うタクミ。
そして先の七夕にもどるが、真行寺はもし願い事をするならせめて「新さんの邪魔をしないようにそばにいたい」という。7月7日の日曜日は、真行寺は外出して三洲に洋服を選んでもらいたかったのだが、三洲にはすでにスペインに戻る前の相楽との約束があった。そんな真行寺をタクミは僕らと出かけようと誘い、当日ランチに出かけたレストランで、ギイ・タクミ・赤池・真行寺の一行は、相楽&三洲にばったり出くわす。(でもこれは策士ギイの狙い)動揺する真行寺を見た三洲は、相楽先輩に少し抜けさせてくださいと頼んで連れ出す。
お前謀ったな、とギイに糺す先輩ととぼけるギイ(強いなあ)(^^;)。でも先輩はいい人だから、二人の帰りを待たずにギイにカンパを渡して一人で去っていった。三洲は洋品店で真行寺に服を選び、広い試着室にまで一緒に入っていって、「お前に俺を捨てる権利などない」といい、試着した服の上から真行寺を抱いて、「この服肌触りいいな、これにしろ。そして夏休みこれを着て俺とデートしろ」だって。(^^;)当然「好きです、新さん。」でキスするのだった。
(ポスターの下の右にうっすらある写真参照)
そのころレストランに残った3人。「先輩はやっぱり三洲君を好きなのかなあ」というタクミに赤池は衝撃のリーク。「さあな、でも先輩在学中はギイにぞっこんだったぜ」ジュースにむせるタクミと笑う他の二人。それにしてもタクミ、私服がダサい。三洲はわりとセンスいいけど。
七夕の夜。祠堂学院は山の中腹だから天の川と夏の大三角がきれいに見える。庭でタクミとギイは静かに語り合っている。ギイは七夕の願い事はしない、だって一年に一度しか会えない恋人同士なんか嫌だ、俺はタクミとずっと一緒にいたいんだと。きっと世界中のあちこちでこんな風に寄り添っている人たちがいるね。ギイに甘えるタクミが可愛い。
三洲と真行寺は暗い中二人で歩いているが(バスに乗り損ねたかな?)、いつも真行寺は三洲の数歩後ろを追いかけている。真行寺は三洲の背中が好きなのだ。入学してからもあの好きな背中を探して彼をみつけた。・・・でも、俺は新さんと並んで歩くことはできないのかなあと問う彼に、三洲は振り返って言う。「なあ、一度しか言わないからな、あまり葉山になつくなよ、妬けるから。」そしてまたさっさと前を歩くのだった。でも心の中では生徒会室で寝てしまった真行寺の可愛い寝顔など思い出してほほ笑んでいるのだ。