去年公開された、宮沢氷魚くんと藤原季節くんの”his”
あれは、高校生のときに出会った二人の後日譚だということだった。
メ~テレ制作のこのドラマは、高校時代の二人の出会いを描いている。FODでも見れたのだが、どこにも行けないGWに見ようとGEOからDVDを借りた。 
まだ携帯電話が二つ折りだったころ。名古屋の高校生井川迅(シュン=草川直弥)は、春休みにカメラマンであるお父さんが仕事のため一人で住んでいる湘南を訪ねる。しかし水入らずの時を過ごすのも束の間、お父さんは急な仕事で小笠原諸島にいかねばならなくなり、一人残される。あそこには毎日は出航しない定期フェリーでいくしかないから、帰ってくるまでには10日もかかるのだ。(私も行きたいなと思って調べたことあり。でも人気があるから切符が取りづらいらしい)しかたなく海岸に出たシュンは、揉めているカップルの男子から、サーフボードを託される。彼が帰るまでどこにもいけない真面目なシュンは、カメラを構えて空をみているうちに、桟橋(埠頭?)から海に落ちてしまい、財布もお父さんの部屋の鍵もなくして、通りがかったサーフショップの一人娘(志田彩良)に面倒みてもらう。
 
 
そのサーフショップへ「ボードがなくなった」と来た例の男子が渚(倉悠貴)だった。渚はサーフィンをするため実家を出て当地の旅館に住み込みでバイトし、空き時間にサーフィンをする生活をしていた。ショップのオーナー夫婦はとても気さくで面倒見がよく(お父さん役は田中要次さん)、しばしば渚もご飯を食べに来ていたし、シュンもそこにしばらく泊めてもらうことになる。
 
その町で、その娘と仲良しの後輩の女の子、また渚とつきあっていた先輩の女子らと、これまで経験しなかったようなことばかり(サーフィンとか演劇のワークショップとか旅館のバイトとか修羅場とか^^;)の春休みを過ごすうちに、渚とシュンは、お互いの存在が自分の心の中で大きくなってきていることに気づく。読書家でしっかりしてて自分が孤独なわりに人付き合いのいい渚。人が良く素直で大人しくでもきちんとしているシュン。二人は気持ちを相手に伝えられないまま、もうシュンが名古屋に帰らねばならないときが来ていた。渚に失恋したサーフショップの娘(その彼女に失恋したバイト先のカラオケ屋の先輩男子^^;)、シュンに失恋した後輩の娘、渚にフラれた先輩女子らは彼らのことをじれったいなあと思ってみていたのだが。
 
実は渚は、自分が思春期になっても女子に興味をもてないばかりか男子に心惹かれるたちだということを自覚していた。それは抑えて隠していたのだが、前の学校にいた時、仲の良い友だちに好きだと告白して、相手は受け入れられないものの友人として渚を拒否しなかったのだが、周囲にばれて噂になってしまい親の理解も得られず、居場所のなくなった渚はこちらに出てきたのだ。でも渚は見た目の良さとクールさで女子にもてるので、本当に女子と付き合うことができるのか試していたのだった。結果、だめだったけど。(-_-;)
 
そしてまさに終盤でのまさにラストシーン。

帰る前に、砂浜に佇んでひとり海を見ている迅(シュン)を見つけ、後ろから走り寄る渚。「シュン!」「シュン!」離れて物陰から見守る女子二人。^^;

 

渚・・・俺、初めて会った時から、シュンのことが気になってた。

迅・・・僕は、逆。日が経てば経つほど、渚のことが気になって。

渚・・・もし、迷惑じゃなかったら、これからもシュンのこと好きでいたい。

迅・・・僕も、渚のこと 好きでいたい。

 

そして渚に抱きつきハグするシュンと、しっかり受け止める渚。(これは、先日見た、大人になってからの”his”と逆のパターンね。)そのまますぐにこのフィルムは終わるのだった。

 

海の波に反射してキラキラとはじける春の陽光のような、はかないけど明るく、青く甘酸っぱくも切ない、そんな青春の物語だった。