【規制改革推進会議等の検査制度の見直し提言は、日本の水田農業をつぶす】 | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

【規制改革推進会議等の検査制度の見直し提言は、日本の水田農業をつぶす】

 まさに、今求められるのは、生産者・JA・政府・需要者が一体となった取り組みを制度化しておくことだ。ところが、全く、そのことに反する動きがある。それが、規制改革推進会議の動きである。

 これまで、生産者・営農組合等々が、JAや政府の方針と一体となって需給調整と計画生産に取り組んできているのであって、この仕組みを維持しているのは検査制度である。今や、ライスセンターやカントリーエレベーター等による、乾燥調製・精米等による流通管理が進んでいることから、まさに、検査はこれらと一体となって、合理化・効率化がされてきている。そして、このことがあって、コメの需給と流通の把握が出来ているのである。その意味では、規制改革推進会議の検査制度廃止のねらいは、コメの生産・流通・管理の要の部分を壊すものであると言わざるを得ない。

 まさに、コメの生産・流通・管理の要の部分を、JAから切り離す。そして集荷・流通・販売を弾力化させて、競争させて価格を下げる。それでコメ作りをやめていく農業者が出てくれば、それら農地を手放させ、農外の会社が取得し、自由な生産・流通の世界をつくる。それら農地の転用も含めて、その活用を企業主体で進める。

 まさに、そうした世界を、儲けを想定したものとして、我が国のコメの生産や農地の扱いを考えているのではないのか、心配が尽きない。これは絶対に許せない。ましてや、鳴り物入りで企業参入している「国家戦略特区」による農外企業の農地取得の現況やその農業経営が、完全に破綻している(国も企業も表座敷では、それを認めようとしていないのだが)。このことはきちんと総括しなければならない。

 

 

【水田農業の重要性の国民合意を議連の決議に盛り込みました】

 

議連は、最後に決議を行ったが、その内容は、まさに、国の在り方の基本方向を示し、それを訴えるものであり、いかに世界が国際化し、市場原理が貫徹し、競争の世界が来るとしても、この基本はしっかり守り抜かねばならない。

すなわち、「我が国農業における水田農業の重要性の確保、並びに、国民生活の礎でもある主食のコメの安定供給確保の観点からも、中山間地等条件不利地域における稲作経営と、その多様な担い手の確保、全国各地における美しい景観の維持や、農地・水の確保の視点からも、水田農業の果たす機能と役割をふまえ、国民合意に基づく安定した対策を継続実施すること」である。

 

コロナで、長く地方へ出かけられなかったが、先般、母親が91歳で他界したこともあり、その葬儀を行うべく田舎に帰った。東京を朝一番の新幹線で出かけ、寝入ってしまい、ちょうど8時前に、故郷の平野の真ん中を走る車中で目が覚めた。3000メートルのアルプスを背景に、整然と整備された水田に、きれいに緑一色に田植えされた景観に涙が止まらなかった。

農業者はじめ、関係者の努力、そして、この美しい日本を「断固守る」意を強くしました。頑張ります、頑張りましょう。