岩手 - 広域合併でJAの体制を一変
岩手県の各JAは、准組合員の割合が小さいので、准組合員の利用規制問題は、そう問題になっていないようだったが、やはり地域によっては大問題だった。
北上山地のど真ん中を横切って、深い緑の中の曲がりくねった山道を走ったが、鹿やイノシシや猿等が増えて困っているという。原発事故の汚染が心配で、猟師さんが鹿を獲らなくなったという。
太平洋岸に向かう山中の、村々の暮らし、生産、所得をどう実現するのだろうと思いながら、突然、海が開け、大船渡市に入ったが、街に海が迫っている。地震津波の災害直後に訪ねたときは、街は、本当に壊され流されていた。今は、街内は、すっかり、きれいに片付けられているが、空き地には建設機材が積みあがっている。そして郊外の流された市街地は、従来の地平線に土盛りし、宅地に整備されているが、空地が目立つ。水田や畑地は、従来通り、一段と低く、稲苗が植えられていた。街を囲む丘の上は、宅地に整備され、家々が並んでいた。堤防は高く、海は見えない。一本だけ残った松は、補強され、堤防と背を競うように立っていた。
大船渡市は、太平洋に面した漁業の町だ。だから、JAおおふなとは、岩手県ではめずらしく、准組合員が圧倒的に多いJAであり、組合長さんはじめ皆さんは、准組合員の利用規制に強い不安と反発が出された。
JAいわて平泉は、理事会を中断して、天気も良い。玄関前の広場で、役員のみならず、青年部・女性部の役員、そして幹部職員の前で、国政報告をさせていただいた。JAいわて中央は、JA盛岡市やJA岩手しわ町等が広域合併したJAだが、協同精神に基づく理念一杯のJAだ。
JAいわて花巻も宮沢賢治の故郷で、これも理念一杯のJAで、相当前からJAが保育園を設け運営してきていたが、今も継続しているし、農業生産力のあるJAきたかみとも広域合併している。大きなホールの舞台の上で、多くの皆さんの出席のもと、国政報告をさせていただいた。組合長は、「農協は地域の農業を支え、地域の伝統文化も守っている」と自信を持っておっしゃっていた。イーハトーブの宮沢賢治の理想の故郷を意識されている言葉だった。
JA新いわては、岩手山のふもとから石川啄木のふるさとである渋民、さらには北の海岸線のJAも含む大規模JAだが、短角牛の飼育、野菜、花等も含む生産力の強いJAであり、有機農産物の宅配の先駆的取り組みの「大地を守る会」とも連携している理念的・実践的なJAだ。
最後は、JA厚生連が運営する介護施設のある病院を訪ね、また、私が若い時、JA全中時代に秘書を仰せつかり、多くのことを学んだ、JA全中の会長だった岩持静麻さんの自宅を訪ね、菩提に、私の頑張りをお願いした。