自由な生産、自由な流通、自由な販売が進むということ | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

自由な生産、自由な流通、自由な販売が進むということ

 改めて、過剰米が生じたときの対策として、米穀安定供給確保支援機構による過剰分の隔離の仕組みをきちんと準備しておくことが必要です。結局は、自由な生産、自由な販売、自由な流通、自由な価格形成という事態が生じ、このことで、担い手農家が残り、小規模農家は撤退する、競争力のある農家が残る、高コスト農業が克服できる、という世界を誰かが描いているのではないのか、という心配です。

 

また、そう考えたとき、31年からスタートする収入保険は、前年並みの収入を確保するので、こうした事態が生じても大丈夫だ、準備している、と説明できるようにしているということなのかもしれないのです。

 

【どういう政策選択が出来るのか】

 

この点については、1110日の産経新聞が、JA全中の「コメの生産調整に全国組織」の見出しで、JAが心配するのは、「減反廃止で主食用米の増産に踏み切る農家が出れば、結果的に過剰生産に陥る懸念がある」ということだが、「農林水産省は、長期の栽培契約で経営が安定する業務用米などへ転換するなど、農家が生産調整に頼らず、自らの経営感覚を磨くことで、農業の成長産業化を目指す」、一方、「全国組織による過度な生産調整が維持されれば、農政改革の効果は薄れかねない」と論評していますが、的を得ています。どう考え、どう政策を選択するか、大変難しい判断になります。

 

今年の作柄と米価について、あるコメどころのJAでは、コメの出荷最盛期になって、夏の長雨で収量が落ち込み、その情報で、一気に卸が農家に買いに入り、中核農家が卸に売る動きが一挙に拡大し、JAに集まっていないといいます。

 

私達は、こういう世界で、自由な生産・流通・販売の動きが与える動きをどう見て、どう対処するかが問われるのだと思います。覚悟して取り組みましょう。

  

 こうした動きや狙いをしっかりとふまえ、我々の取り組みの方向をしっかり決めていかなければなりません。頑張りましょう。