コメの価格形成をどう考えるか | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

コメの価格形成をどう考えるか

 ところで、今、コメの堂島先物取引所の本上場認可が申請されて、それを認めるか、どうかが焦点になっています。これまで3度にわたり試験上場の形で認可を行ってきていたものです。

 

 私は、これまでも、一貫してコメの先物取引に反対してきました。その理由は、国が生産調整の目標を定め、その実施を求め、ナラシや直接支払いも目標の達成を要件とし、各県、各JA、農業者が計画生産に取り組んでいるときに、自由な生産・流通・販売を促進させることで成り立つ先物取引を国が認定するのは筋が通らないというものでした。

 

 ところが、30年産から国が目標を配分しない、ナラシも目標達成を条件としない、そして31年産から実施に移す収入保険制度は、個々人が、自らの青色申告をもとに、収入減少を補てんするものであり、加入・非加入は個々の農業者の判断にゆだねられるものです。

 

 もちろん、需給の均衡は必須であり、米価の安定は個々の所得安定や向上にもつながります。しかし、収入保険制度のもとでは、個々の農業者の経営判断を優先することがさらに強まるとみられます。要は、個々の目標配分が無くなり、所得変動への対処は個々人の判断にゆだねられるとするとき、コメの自由な生産・流通・販売の流れは、さらに加速するのだと思います。

 

 

→次ページに続きます。