丁寧な議論を行おうではありませんか | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

丁寧な議論を行おうではありませんか

 まさに、今、我々がきちんと議論すべきは、この提案を生んでいる背景を承知し、生起する事態をどう克服するかです。

 

すなわち、
・ 価格形成を自由にすることでいいのか
・ 自主的な生産調整はどこまで可能か
・ 水田フル活用の他作物対策を充実すれば克服できる

 のか
・ 米価が低落した場合、経営補てんの仕組みは維持で

 きるのか、それを収入保険制度の仕組みでカバーでき

 るのか
・ それらの推移の中で、離農が進み、理念通り規模拡大

 は可能なのか、必要な生産を確保できるのか、中山間

 地等の条件不利地域はどう扱うのか
・ 著しい暴落の時は、在庫等の調整は誰が行うのか、

 政府はこれを放置するのか
等々に方向を示さなければならないのです。

 

 さらに加えて、収入保険というからには、収入の捕捉と、それを下回った際の補てんが必要になる訳で、そのための青色申告が前提になりますし、コメだけでなく、他の作物の収入も含めた全体の収入の変動を把握し、補てんすることになります。その場合、牛肉・豚肉のマルキン等の、既存の品目ごとの所得補てんや価格変動調整の仕組みとの関係の整理も必要になります。

 

 ところで、思い出すのは、10年ほど前の規制改革の論議で、農業共済の仕組みは人手がかかり国の負担が大きい、民間の保険に移せないか、その際、民間による収入保険の仕組みを作れないかとする議論があったことです。まさに、今、その議論を復活させ、「成長戦略の推進」と「既得権益の撤廃」の議論として、やろうとしているということではないのでしょうか。

 

 改めて、これらのことで、どんな国をつくろうとしているのかを問わなければなりません。まさに「日本の将来像を共有する」議論がなされなければならないのです。