何としても万全の国内対策を実現しよう | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

何としても万全の国内対策を実現しよう

 安倍内閣には、山が多く雨も多い島国というハンディキャップのもとにありながらも、懸命に努力している日本の農業者への支援を、国内対策でしっかり示してもらわなければなりません。TPPは、安倍総理がオバマ大統領と共同声明をしたように、「お互いの国のセンシティビティ」を確認して取り組んだものであり、その根底にあるのは「各国の多様な農業の共存」の理念だったはずです。


【さて、ここに来ても心配は尽きない】

 交渉内容は、まだまだ十分な開示がなされていませんし、その評価も各国で異なっています。米国では、次期大統領選の民主党の有力候補であるクリントン前国務長官が「支持できない」としていますし、また、これまでTPPに積極的だった共和党のハッチ上院財政委員長が「ひどく不十分だ」と表明しており、今後のオバマ大統領の署名や議会の批准は混迷するかもしれません。韓国と米国のFTAは合意後3年かかり再交渉が続けられ、コメの輸入拡大や医療問題で、韓国は大きな妥協を迫られました。


 また、相手国を訴えることができるISD条項や濫訴防止規定がきちんと機能するのか。さらに、わが国の農業が攻められるばかりでなくて、今回は、米国への牛肉の大幅な輸出枠の拡大や関税撤廃が実現し、また関税率は現行でも低いのですが、ナシやコメで関税を撤廃できたのは一定の成果です。しかし、温州ミカンなどは未だに駄目なのか、わが国からの輸出を阻んでいるSPS(動物衛生及び植物防疫措置)等がどういう扱いになっているのか、早急に明らかにされなければなりません。


引き続き頑張りましょう。