規制改革会議、官邸の壁を打ち破れず | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

規制改革会議、官邸の壁を打ち破れず

 まさに、規制改革会議等のテーマとしてこの問題が浮上してから、悶々とする1年半を過ごしました。当初はここまで問題が進むとは思えませんでした。どこかで消えるか、先送りになると考えていました。はたまた改革が迫られるとしても、「ともに改革を進める観点で進められるべき」とも考えていました。ところがそうはなりませんでした。アベノミクスの成長戦略の目玉にするという官邸の意向は強く、マスコミも既得権益の岩盤を打ち砕く象徴としてこの問題を取り扱いました。


 自民党も農協改革に関する検討PTを設け、私もメンバーとして議論に参画しました。党のとりまとめに際しても、今回の法改正に見られるような厳しい結論に至るとは考えられず、自民党と連携しながら農政を進めてきた農協をそう簡単には扱えないはずだと考えていました。ところが、規制改革会議は自民党のとりまとめを促すかのように、再三にわたって意見を出してきました。その内容たるや、自民党のとりまとめを一回りも二回りも上回る厳しいものでした。この間のJAグループによる自己改革案をあざ笑うかのごとくに、具体的な農協見直しの意見を出してきたのです。


 結局、この規制改革会議の意見をほぼ受けた形で、政府の改革案が内々出され、この間、自民党の少人数幹部と政府との協議が連日繰り返されましたし、自民党の総務会での「論議を深める」とした決定を受けて、すべての自民党衆参議員による9日間にわたる連日の論議もなされ、法案の提出となったのです。私自身も、農林部会長代理の役職を担い、連日の論議に参加して意見も述べてきたことからして、法案に不満があってもこれ以上の抵抗は難しかったと思います。党本部の満員のエレベータ内で、後ろから背中をたたかれ、「山田君、離党だな」と先輩議員から声を掛けられたこともありますし、議員会館のエレベータ待ちで、「一緒にやろうよ」との野党議員からの声もたびたびありました。ましてや法案を扱う委員長です。それなら解任も覚悟した波乱をつくれないかとまで、ぐずぐず考えたこともありましたが、それをやっても代わりの委員長の下で法案は通ってしまいます。結局、しっかりと委員会を運営し、議論を深め、附帯決議できっちり注文を付けようと整理し、委員会の開催時間も十分確保し、地方公聴会と現地調査、参考人質疑2回、総理質疑と、丁寧な運営に心がけました。


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