何故、中央会改革なのか | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

何故、中央会改革なのか

 日本に進出している米国の金融・保険会社等で組織する在日米国商工会議所等は、日本のJAの共済事業が信用事業を兼営する形で行われていることや、組合員以外の准組合員も対象にしていることなど、他の金融・保険会社等との平等性に欠けることは問題だとして、これまでに日本政府に強く迫ってきていました。規制改革会議は、そうした主張に対応するがごとく、JAの信用事業や共済事業の代理店化や、経済事業の株式会社化や、中央会の廃止や、准組合員の利用制限等を論点にしてきました。そして昨年5月と11月に規制改革会議が出した意見は、在日米国商工会議所等の主張と重なる内容のものでした。


 しかし、これ全部を規制改革するというのでは、JAをつぶしてしまうということになりますが、地域の社会的な組織であるJAをつぶすことはできないので、とりあえず、中央会に焦点を当て、中央会の抜本的な改革を進めるという意図があるのだと思います。そして、その根拠たるや、中央会は、戦後のJA設立後、JAの経営問題が生ずる中で、JAの監査や経営指導を進める組織として設立したが、現時点では役割を果たしたし、むしろ中央会の監査や指導は、JAの自由な活動を統制し、それが農業の成長産業化を阻害している、というものです。これは、同じ16日、菅官房長官が記者会見で、「中央会は、経営危機に陥ったJA組織を再建するために導入された特別な組織だ。だから、これからの中央会は、単位農協を的確にサポートができるよう、あり方を抜本的に見直したい」とおっしゃっていることと一致しますし、総理の「中央会は脇役に徹していただきたい」との言とも一致します。


 ところで心配は二つあります。


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