参議院農林水産委員長に就任 | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

参議院農林水産委員長に就任

 この原稿を書いているときに、御嶽山の噴火の知らせを聞きました。当日の朝7時10分頃、羽田空港から富山空港へ向かう際、機体が諏訪湖上空辺りに差しかかったとき、雲で諏訪湖は見えず、北アルプスも、八ヶ岳も、北岳も雲の中でした。ところが、御嶽山だけが光り輝いていて、印象的だったことを鮮明に覚えています。何らかの前兆だったのではないかと思います。亡くなられた方も多く、高原野菜等への被害も心配されます。早く対策が必要です。心からお見舞い申し上げます。


 さて、この国会から農林水産委員長の職務を担うことになりました。これまでも一貫して農林水産委員として過ごし、昨年1年間は筆頭理事として、農地中間管理機構法案、農業担い手経営安定法改正案、農業多面的機能発揮促進法案等の審議・可決を目指して野党との折衝を行ってきたことからして、委員長の役目はなんとかこなしていけるのではないかとは思いますが、野村哲郎前委員長はじめ歴代の委員長に負けないよう品格(?)を持って対応していきたいと思います。

       


 ところで、今後1年の農林水産委員会は容易ではありません。というのは、秋の臨時国会での農林水産委員会は、議員立法として、都市農業振興基本法案と鳥獣被害防止特別措置法の改正案があるのみで、政府提案の法案はないとみられています。もっとも、今回の安倍改造内閣の目玉である地方創生に関する基本法案等が提出されますが、これらは今後設置される地方創生特別委員会での審議になるようです。しかし、私は、農林水産政策に関する法案は農林水産委員会で審議してもらいたいと思っています。というのは、国家戦略特区諮問会議や産業競争力会議や規制改革会議等で声高に叫ばれている、農家レストランや6次産業化関連施設のための農地転用の特例を推進する地域再生法の改正を、新設の委員会で行うことになっているからです。これでは、新たな転用が無原則に進みかねない心配があります。成長戦略推進のためには転用が必要という企業や、ややもするとこれら企業サイドの意向を踏まえる傾向が強い委員会の論理で審議が進みかねないことを危惧しています。


 24日には、自民党に新しく作られた「地方創生実行統合本部」が、谷垣幹事長、稲田政調会長、石破地方創生担当大臣も出席のうえ開催され、多くの議員が参加しました。その場で、私は、「農地転用の特例を認める前に、道路際の無秩序な転用による荒廃の解消、農村部で増加している空き家屋の活用、かっての大店法の改正による郊外での大規模小売店の展開と中心市街地のシャッター街化の反省等を踏まえて、地方再生計画やコンパクトシティづくりを先行させねばならないのではないのか」と意見を述べ、出席議員から「そうだ」との掛け声や拍手をもらいました。


 国会審議の前に、まず党内の議論がなされるわけですが、農業サイドの意見が十分に反映する審議を農林水産委員会でやりたいものです。


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