富山県南砺市 ― 伝統工芸の後継者の確保対策を | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

富山県南砺市 ― 伝統工芸の後継者の確保対策を



 私の故郷富山の250年の歴史を持つ木彫の街、南砺市井波は、一向宗の砦でもあった瑞泉寺の大門や大伽藍が往時の繁栄を物語っていますが、木彫師の高齢化が進む一方で、担い手の確保が出来ずにいるといいます。今や弟子を持っている師匠は6人しかおられません。鑿(のみ)を持てるようになるまで2~3年かかるそうですが、弟子入りの申し出があっても、若者へのこの間の手当てや住まいの提供がままならないといいます。この街の木彫組合で作られた養成学校は、応募者が減少し今は運営できていないといいます。同じく出席されていた建築関係の皆さんからは、高校の建築学科がなくなり、若い人の就職もなくなってきているという声を聞きました。


 私は、農業の青年就農給付金(準備型:最長2年間、経営開始型:最長5年間、通算最長7年間、各年150万円の給付)の例を紹介し、伝統工芸の世界でもこうした取り組みを作り上げてゆくことの必要性を話させていただきました。まさに、安倍総理が打ち出した「地方創生」を具体化しなければなりません。


【富山市 ― コンパクトな街づくりで確信した都市農業基本法の必要性】


 富山市内3か所での対話集会では、2か所はれっきとした農村部、1か所は市街地に隣接した農村部でした。私の事前調査が不十分だったのですが、会場がJAの支所だったこともあって、私は、冒頭TPP問題・米価対策・JA改革について情勢報告させていただきました。ところがどうも皆さんの反応が良くありません。話し終えて、お一人から手が挙がり、「山田さん、話は分かるが、自分たちは固定資産税10アール当たり10万円と都市計画税を払う市街化区域で農業を行っているのだよ」とおっしゃいます。そこで、「皆さんそうですか」とお聞きすると、全員の手が挙がりました。そして米の販売金額は毎年税金で消えている、米の共同乾燥施設も必要だし、年々高くなる農業機械への助成も必要だ。まして、街中の排水を引き受けている水田の水路の補修もままならないでいるとおっしゃいます。まさに都市農業の抱える課題そのものです。富山市は、コンパクトな市街地や街づくりを目指す全国でも評判の市です。いろんな経緯があったとはいえ、広範囲に網を広げてしまっている都市計画区域の設定をどう扱うか、都市農業の諸課題を突き付けられました。


 今秋の臨時国会で「都市農業基本法」を議員立法で制定すべく、まさに、自民党農林部会の「都市農業基本法案に関する小委員会」委員長として、法案の検討の渦中にある私にとって、改めて認識を深める場となりました。頑張ります。