大勝した自民党の緊急課題 | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

大勝した自民党の緊急課題

 さて、与党となる自民党、そして間違いなく連立を形成する公明党には、多くの難問が控えています。選挙戦の中で、多数の政党間の論議がマスコミを通じて報道されていたので、課題は明らかです。


 一つは、当面するデフレ克服対策です。

 これは党内で全く異論はありません。日銀と連動したより効果的な金融緩和対策と、早急な補正予算対策、そして25年度予算の組み直しです。


 二つは、社会保障国民会議での議論をしっかりと行うことです。

 これは自民党・公明党・民主党の思想は相当異なりますが、与党の自公を中心に、「自助・共助・公助」のバランスを基本にしっかりとまとめようではないか。もっとも、民主党が、大敗し、参議院選を目指してどんな動きをするかが変動要因になるかもしれません。


 三つは、対中国等の外交問題です。

 これは国防軍という名称や集団的自衛権の運用、さらには憲法の改正手続きの具体化等とも関連しますが、時間をかけて、しかし、筋を通して整理してゆこうではないか。


 四つは、TPP問題です。

 これは、経済界やマスコミがさらに大騒ぎをして自民党の決断を迫ることは間違いありませんし、国民の間にも、景気対策や外交防衛問題とも関連して、一気に米国追随の動きが出かねない心配があります。しかし、自民党は、公約に盛り込み選挙で勝利を収めたのであり、「形と内容が悪い」TPPは、米国主導の前提条件を改めさせる各段階にわたる協議を行い、それこそ交渉力を駆使して改めさせねばなりません。決して妥協させない取り組みをきちんとやってゆきたい。

 これから厳しい党内闘争になるかもしれません。もちろん、TPP推進派を納得させるためにも、景気対策・貿易促進対策のためにも、WIN-WINを基本に、ASEAN諸国や日中韓やEUとの協定締結をしっかり進めたい。

 五つは、農林漁業政策です。
 直ちに、25年産米対策をどう進めるのか、戸別所得補償制度の見直しと法制化をどう進めるのか、予算確保対策も含めて緊急の課題です。日程的に可能かどうかという問題があるわけですが、我われが野党時代に、戸別所得補償制度の見直しと関連して立法化した多面的機能直接支払法案と担い手総合支援法案の成立をはかることも緊急の課題です。畜産の飼料対策もあるし、野菜・果樹、林業・水産業対策、さらには基盤整備やバイオマス・エネルギー対策も課題です。


 六つは、税制対策も課題です。
 特に民主党が検討していた相続税やたばこ税の引き上げは絶対に認められませんし、CO2の森林吸収減対策に充てる税源対策も課題になります。


 七つは、原発問題です。
 自民党は、3年間で再生可能エネルギーの確保や電力需要の見通しを踏まえたうえで、原発の再稼働や廃炉については、安全性を最も優先し3年以内に結論を出すとしているが、脱原発依存の声が広がっているなかで、さらに具体的な方向をきちんと示してゆかなければなりません。

 もちろん、東北の復興対策と、福島の被災地や避難を強制されている被災者の対策は、民主党とは違うレベルで万全なものにしてゆかねばなりません。


 思いつくだけでも、課題は山ほどあります。


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