どんどん上る線量、通常許容値の10~300倍へ | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

どんどん上る線量、通常許容値の10~300倍へ

 双葉郡の大熊町に入ったとたんに、線量はどんどん上がります。福島駅前は、0.21マイクロシーベルトでしたが、途中の田村市内は車内で0.11、都路で0.50、大熊町に入り桁が違ってきて、1.28、2.19、2.82、3.11、3.80とどんどん上がっていきます。夜ノ森駅は、小さなかわいい駅ですが、線路は草ぼうぼう、道の両側の桜のトンネルも今はまったく人影がありません。さらに線量が上がり、9.99マイクロシーベルトとなり、手のひらサイズの検量計では、これ以上測れません。別の中型の機械で12マイクロシーベルトまで上がっている。年間1ミリシーベルトというのが追加被ばくの許容値として一定の基準にされていますが、この数値は1時間に換算すると0.23マイクロシーベルトです。とすると、このあたりの線量はこの基準の10倍以上になっていることになります。


 津波が襲った水田は、一面のセイタカアワダチソウの原野です。それがずっと続きます。宮城県の同じ津波が襲った地域との違いは明らかです。それは、原発事故でまったく手がついていないことです。そして、米国から来た外来種が徹底して生き延びて繁茂しています。まるで、TPPの行く末を暗示するかのようです。


 福島第一原子力発電所近くでは、車の中で26マイクロシーベルト、そして30マイクロシーベルトで振り切れました。さらに検量機を大型にして、32マイクロシーベルト、さらに70マイクロシーベルトを超え、ピーピーピーと警戒音が鳴り続けます。いやな音です。この基準は、通常の基準である0.23マイクロシーベルトの300倍にもなるものであり、年間基準では300ミリシーベルトになってしまいます。これだと帰還困難区域の基準を大きく上回るものです(年間50ミリシーベルト以上が帰還困難区域、20~50ミリシーベルトは居住制限区域、20ミリシーベルト以下は避難指示解除準備区域)。


 JAふたばの浪江支店の地産地消の直売店は、棚が崩れて、生産者が運んできていた野菜は原形をとどめていますがすっかりしなびていて、花はカリフラワーのようになっています。


 カントリーは、サイロのもみが発酵しており、低温倉庫も2万袋の米袋がことごとく崩れています。倉庫前には、野生化した牛の糞が随所にありました。夜に現れているのでしょう。JA双葉厚生病院の通用口には、未だに、移動ベッドや車椅子や介護用品が散乱し、投光機もその時の混乱のままに残されており、緊急避難の様子が生々しく伺えました。


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