コメの需給調整を自由にしていいのか | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

コメの需給調整を自由にしていいのか

 三つは、国の需給調整への関与についてです。

 まさに民主党政権の戸別所得補償制度は、補てんを実施するので、後は国が需給に手を出さない。備蓄米の運営も、播種前に備蓄米を買い入れ、そして備蓄米は主食の需給に影響を与えないように運営する、全体のコメの需給調整も、国が需給計画を定めるだけで、先物取引で価格の変動を調整し、国は需給に手を出さない、後は、生産者自らの判断と市場で決めて下さい。過剰になろうが、ひっ迫しようが、生産者の責任であり、そう判断できる農家をつくる。そうした市場原理で生き残る農家は生き残る、廃業する農家は廃業する。そのことで、関税撤廃しても対処できる農業の構造改革を進める。極端に言うとそうした方向へコメ政策を進めようとしているとみられます。単純に、「戸別に所得を補償する良い制度だ」と言っていられない狙いがあるということだと思います。


 こうした方向へ、水田農業も踏み込まされています。それでいいのでしょうか。


 日本の農地も、家族農業も、兼業で所得実現している地域の農業も、地域の協同活動も、JAも、地域の安定も、そしてそれらをベースにした日本国の安定も、損なわれかねません。


 もちろん、農業で食べてゆける経営をつくることは、農業の担い手の確保や地域の活性化にとり不可欠であり、一方で地域の実態にあわせた兼業農家や定年帰農、それらが協力し合う集落営農など、活力ある担い手経営づくりと、安定した地域づくりとが併存する地域づくりが必要なんだと思います。


 どういう日本をつくるのか、どういう農村と地域をつくるのか、またそれは街のあり方や、山間地の条件の悪い地域のあり方とも関連します。さらには、どういう地域産業を育てるのかとも関連します。考えるべきことは一杯あります。頑張ります。