問責決議の背景 | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

問責決議の背景

 野田総理の問責決議を可決しました。しかし、可決した自民党の評判は良くありません。三党合意をリードしておきながら一転して審議拒否をしたからだというのです。問責決議を優先するか、問責理由にこだわるか、その狭間の中での政治判断が難しかった。私は、問責を優先せざるを得ない状況だったと確信しています。


 若干の経緯を説明しておきます。8月上旬に、みんなの党以下の少数会派が、「自公民三党だけで社会保障と税の一体改革法案を合意し、審議をおざなりにした国民の声に背く野田政権の責任は極めて問題だ」という問責決議案を提出していました。自民党も公明党も、党内論議を重ね、批判覚悟で一体改革法案に賛成している時に、この問責理由には賛成できず、その時には議院運営委員会で否決していました。


 ところが、三党合意の前提であった「近いうちに国民の信を問う」という野田総理の約束が反故にされる動きが出てきました。それは、約40兆円に上る赤字国債発行のための特例公債法案と、違憲判決も出ている衆議院の定数是正のための選挙制度法案を、民主党は、単独で委員会に提案し、野党全てが欠席している本会議でも強行採決してしまいました。全ての党、全ての議員の身分に関する議案を単独で採決するのは極めて異例だといいます。参考人質疑等の議会運営上の手続きもやりませんでした。これは、多数を占める衆議院で可決しても少数派の参議院では否決になることを見越したうえで、廃案にし、臨時国会に先送りする見え見えの動きでした。


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