【熊本の阿蘇の山津波】-災害列島、日本をどうするのか- | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

【熊本の阿蘇の山津波】-災害列島、日本をどうするのか-

 熊本へは、8月3日にお邪魔しました。阿蘇の山々に降った大量の雨で、外輪山の各所で、山肌を大きな爪で削り取ったように土石流が生じ、それが里の集落と川をあふれさせ、堤防を壊し、田を土砂で埋め、熊本市へ流れる白川の各所の堤防を壊していました。19名もの死者が出ました。


 故松岡元農水大臣の実家もお墓も埋まったといいます。亡くなられたあとに一度お墓参りに出かけていた山裾に、川を控えて、そっと建っていたあの家が壊れたのかと、手を合わせました。


 阿蘇の山々は、まさに外輪山の頂上から杉林が爪ではぎ取られ、それらの丸太が凶器となり家々や橋を壊していました。20数年前にも、これに近い被害があったといい、今は、灌木が生い茂る薄い緑の爪痕が随所に残っていました。この山の人工林をきちんと間伐するなり、皆伐しないと再び同じことが起こりかねない心配があります。山裾の谷々に末広がりに、小さく広がる集落は、いつ破壊されるか分かりません。


 阿蘇市だけで一面340haも土砂に埋まり、冠水した圃場を復旧することも、河川の改修も急がなければなりません。この際、復旧にとどまらず、高齢化の中で、集落営農組合や法人化、さらには、ハウス等の複合経営を取り入れた所得確保など、前向きの復興を実現してゆくことが求められます。さらに、この機会に、戦後植林し、立派な成木に育ったけれども手がつかないでいる美林をどう活用するか、場合によれば、バイオマスとして活用できないか、市長さんはじめ、市議さん、JA組合長・土地改良組合長さんらの皆さんとの意見交換の場で申し上げました。原発の再稼働が大問題になっている時に、再生可能エネルギーへの具体的な取り組みが必要なのだから、こうした検討がなされていいと思います。