【農水大臣交代の裏にあるもの】-TPP、最大の懸念は6月18・19日のG20- | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

【農水大臣交代の裏にあるもの】-TPP、最大の懸念は6月18・19日のG20-

 内閣改造がなされました。野党が一致して問責を決議した田中・前田両大臣が交代するのは当然ですが、鹿野大臣は、スパイ問題が出て退任を余儀なくされたのは意外でした。スパイ問題は、中国大使館の書記官の行為は問題ですが、鹿野大臣にまで及ぶことだったのかどうか。中国にコメ等を輸出拡大したいとして、民主党の国会議員の秘書を輸出協議会の代表に据えて、農水省の顧問にまでしてしまい、その代表が、某健康食品会社とのかかわりがあり、その資金と、書記官のよくある儲け話に乗っかり、中国へのコメ輸出ルート(これまでの輸出窓口とは異なる農業部系の国営企業である中農集団)を使った食品展示場への出品と販売を考えた。


 そして、輸出品の検疫検査免除といううまい話をうのみにし、従来から輸出業務を行ってきた商業部系の検疫検査は当然必要との利益争奪ともからんだ暴露合戦に巻き込まれ頓挫してしまいました。日中首脳会談時に野田総理をまだ完成していない問題の展示場を視察させ、総理も巻き込んでしまった。農産物の輸出を何とか拡大したいとの意欲はともかく、内容は極めて詰めの甘いものでした。20万トン輸出できるなどという話には、最初から疑問がありました。


 もっともこの話は、鹿野大臣が党の代表選挙に立候補し相当の票を集めましたが、その代表選の時の事務所が輸出協議会の事務所と同じだったり、その協議会の代表になった秘書を雇っていた議員も鹿野グループだったり、代表選にはその健康食品会社からの応援もあったのではないのかと言われたりして、これは単に輸出拡大の大義だけではなかったのではないのかとの疑惑を呼んでしまいました。私は、自民党時代からの長いおつきあいがあった鹿野大臣には好感を持っていただけに、この事態は残念です。周囲が悪かったとしか言いようがありません。