【北京では、農業農村政策の責任者と意見交換】-北京と青島を訪問- | 山田としお オフィシャルブログ Powered by Ameba

【北京では、農業農村政策の責任者と意見交換】-北京と青島を訪問-

 こうした状況下で、連休後半の3~6日に北京と青島を訪ねることにしました。この間日程が入らなかったことと、JA全中にいた時から親交があり、今や中国の農業農村政策立案の責任者である陳錫文さん、国務院発展研究センターの徐小青さんらにお会いし、現下の情勢をどう受け止めているのか意見交換するためです。3日に両氏にお会いし、4日は北京近郊の野菜産地、5~6日は中国最大の野菜産地として日本への輸出も一番多い山東省の青島を訪ねました。


 陳さんは、温家宝首相が組長を務める農村工作領導小組の副組長を務める大臣級の方で、温家宝首相の片腕の立場においでですが、中国13億人の食料の安定生産と、輸入・備蓄による供給確保が一番の関心事であるとおっしゃっていました。広大な中国における農業生産と、それに従事する7~8億人ともいわれる農民の所得の向上をどう図るかに腐心されていました。


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 TPPについては、新大陸の米国や豪州とは農業の形が違う、とうてい関税撤廃で立ち向かうことはできない、アジアの特性を生かしたお互いの発展がある、商業や工業や金融と一緒に出来ないという考え方であり、全く同感です。


 農民の所得の向上のために、日本の農協から学びたいともおっしゃっていたし、農地の集約化をどう進めるか、市街地の拡大で農地の転用が増えていることについても、日本の政策を学びたいともおっしゃっていました。私は、高度経済成長で農地の転用を拡大し、農地の価格が高騰し、資産保有を生じてしまった日本の失敗と反省こそ学んでほしいと申し上げました。


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 確かに、北京近郊の農村も延々と続く高速道路のずっと先まで高層のマンション群が続き、さらに建設ラッシュにあることを車窓から見ました。高度経済成長と農村部への都市の侵略をどう整序するか、といって高度経済成長は止められない、止めたら13億の国民と広大な国家が破たんする。そうさせないために走り続けざるを得ない。一党独裁といえども、その経済・社会・政治のかじ取りたるや大変なことでしょう。日本の政治・経済とは同じに出来ませんが、「大変なことなんだろう」と、私も一介の政治家として考えるところがありました。


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 北京から50km離れた北京近郊の農業生産を見せてもらいました。試験研究機関のイチゴハウスはオランダからの近代的なもので、とちおとめや紅ほっぺ等の大粒のイチゴが栽培されていました。近辺に延々と続くハウスは、イチゴや野菜栽培です。しかし、そこにも高層マンション群が建設されていました。