-組合長への便り-1/2
北海道十勝のJA組合長からの、1億円を超える負債を背負っても新規就農を目指す若い青年を何としても成功させてやりたい、という熱い思いと、そのための政策を求めるお便りに、返事を出しました。
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拝啓 大変ていねいな、かつ、問題意識一杯のお便りをありがとうございました。もっと早く返事を出すべきところでしたが、被災地の二重債務解消法案対策、戸別所得補償対策、コメの先物試験上場対策について、連続して予算委員会・震災復興特別委員会・決算委員会・農林水産委員会で質疑することとしたため、その準備等で遅れてしまいました。
私は、酪農がどんどん大規模化していくことに頼もしさを感じながらも、危惧も持っています。海外の乳製品との競争や、その中で国境措置が常に問題にされ、不足払い制度や財源が俎上に載せられ、そのため、より一層の生産性向上が求められるのは納得がいかないということです。もちろん、働きやすい施設の整備と、それに見合う収益実現のためには、さらなる規模の拡大が必要になるという事情も承知しているつもりですが、どこまで行けばいいのかという心配です。
もはや北海道の酪農は、平均的にはヨーロッパの規模に匹敵するまでになっているのですから、どこかで一定の安定があっていいのではないのか、それに見合う所得を実現できる制度や財源や価格が維持できる仕組みは作れないのか、これが課題です。
といっても、組合長が抱えておられる現下の問題の解決につながらないわけで、やる気のある若い担い手が就農し定着してゆける事業や融資が必要です。農地の取得や施設整備の資金、乳価の見通しからして、損益分岐点はどこなのか、もう十分検討されてのことでしょうが、さらに専門家に詰めてもらうことも必要なのかもしれません。そのうえで、どんな事業や対策が必要なのか、どうぞ詰めてみてください。事業や対策として、これが必要ということであれば、どんな対策があるのか、どんな工夫があるのか、農水省にも相談してみます。