「ねぇ、あの自殺未遂した亜矢っていう女の子とエッチしたワケ?」

 

ホテルの部屋に入るやいなや舞は俺に詰問してきた。

 

「おいおい、何言ってんだよ!」

 

このテの質問が来た時、俺は必ずこうした言い方で返すことにしている。

否定とも肯定とも取れる曖昧な言い方なのは、相手にその判断を委ねるためだ。

 

「バカ! スケベね、男って!」

 

舞はそう言うと持っていた自分のバッグを俺に向かって叩きつけた。

衝撃でバッグの口が開いて、中身がバラバラと散らばった。

 

「まぁいいわ。あたしは源ちゃんの体が気にいっているだけだから!」

 

舞はそう言うと俺のジーンズをサッと脱がし、下着の上から俺の息子をまさぐった。

 

舞は俺と同い年の23歳。

大きな総合病院でオペ看とかいう看護師をしているらしい。

男性経験も豊富で俺とのセックスにハマっているから付き合っているということだった。

 

「今日はこのままするわ。」

 

舞はそう宣言すると俺をベッドに押し倒して、俺の息子を口で愛撫しながら恍惚の表情を浮かべ始めた。

 

「気持ちいい?」

 

怒張した俺のイチモツを咥えながらそう言うと、舞はサッと俺に馬乗りになる形で今まで咥えていたイチモツを自分の中にインサートした。

 

「ああ!」

 

舞は吐息のような声を出しながらゆっくりと俺の上で腰を動かし始めた。

腰を動かすたびにクチュクチュという卑猥な音が静寂なホテルの部屋に響いた。

 

「源ちゃん、いい! 硬くて、おっきい! とってもいい!」

 

そう叫ぶと彼女の腰はますます素早く、激しく上下するようになっていく

 

「ダメ!、いく、いっちゃう!」

 

天を仰ぐようなポーズで絶叫したかと思うと、グタっと俺の上でうなだれた。

 

「舞、いったのか?」

 

俺は彼女の耳元でそう尋ねると、コクっと頷いた。

舞との約束で俺が先にイクことはできない。必ず彼女が先に一回エクスタシーに達した後、俺がイクことができるので確認したのだ。

 

「ごめん、ちょっとだけ休ませて。」

 

舞がそう言ったので、俺はシャワーを浴びることにした。

 

 

「おい、舞! 風邪ひくぞ。」

 

シャワーを浴びてベッドに戻ると舞は全裸のまま眠り込んでいた。

深い眠りに落ちたようで、すぐには起きそうもなかった。

看護師というのはハードな職業らしく、緊張が解けると眠り込むことも多いようだ。

 

ベッドの周りには舞のバッグから散らばったいろんな物が散乱していた。

俺はそれらを拾い集めて彼女のバッグに戻そうとしたところ中に免許証があり、それを見て目を疑った。

 

舞。彼女は岡田舞という名前だが、免許証にある名前は"幣原ゆかり"だった。

そう。彼女は偽名を使って俺と交際していたのだ。

 

幣原ゆかり・・・幣原(しではら)という独特の苗字に俺はピンとくるものがあった。

 

まさか彼女はあの忌まわしい出来事の関係者なのではないか?

魔物の女・・・・そう思うと俺は背筋がスッと冷たくなるのを感じた。

 

(つづく)