東京都知事選に立候補して | 田母神俊雄オフィシャルブログ「志は高く、熱く燃える」Powered by Ameba

東京都知事選に立候補して

2月9日投票の東京都知事選に立候補した。立候補した理由は二つある。一つ目は首都直下型地震が30年以内に70%の確率で来るといわれているときに、東京都民を守る態勢の構築が急がなければならないということ。二つ目は、自公連立政権では日本を取り戻すことは無理なので、政界再編の動きを起こしたいということであった。


首都直下型地震対処のためには、老朽化している東京のインフラを耐震性のあるものに改修、建て替え等を行うとともに、電線の地中化を進める。そして万が一、地震が起きたときの救助態勢を確立することが必要である。我が国の災害救助体制は諸外国に比べると遅れている。何が遅れているのか。それは災害が起きたときに直ちに救助組織が行動開始できる態勢になっていないからだ。諸外国では大規模災害が起きたときに警察や消防、そして軍、更には民間の建設会社、輸送会社などが一つの組織で直ちに救助に動けるという態勢がとられている。これに対し我が国では、災害が起きてから総理大臣官邸に大臣などが集まってきて、今回はどのような組織で救助活動をするかという相談から始まる。これでは組織を作っている間に多くの人命が失われてしまう。憲法に国家緊急事態の規定があるかないかの差であると思う。よその国では、大統領や総理大臣が、「災害緊急事態」の宣言さえ行えば、誰の指示がなくとも救助組織は自動的に動き出すのだ。東京が機能しなくなれば我が国の経済は麻痺して、その影響は日本全国に及んでしまう。何としても被害局限のために、早急に東京の災害対処態勢を作り上げなければならない。


そして、その態勢を作り上げるためには、私の自衛隊における経験が役立つと思っていた。自衛隊には航空攻撃などで被害を受けた場合の被害復旧作戦がある。これは正に地震で被害を受けた場合の災害救助や被害復旧そのものである。自衛隊にはそれらのノウハウが蓄積されている。


もう一つ、安倍総理は自公連立政権の中で非常に上手く行動しているが、自公連立政権では日本を取り戻すことは無理なのではないかと私は思っている。戦後レジームからの脱却、憲法改正、国防軍構想、これらに対し公明党は反対であり、与党内野党として安倍総理のやろうとしていることを妨害しているようにしか見えない。日本に自民党の右側にしっかりとした柱を立て、自民党しっかりやってくれという健全野党が生れ、自公連立を解消して、健全野党と自民党による新たな政権が誕生しなければならない。


この政界再編が出来なければ日本を取り戻すことは出来ない。私は常々そう思っていた。 日本には中国派の政治家が多数いて、これに対し保守派と言われる政治家がいる。しかし、保守派の大半はアメリカ派である。我が国の政治状況は、中国派とアメリカ派が権力闘争をしているような状況で、日本派の政治家が本当に少ないように思う。日本派の政治家が集まる政党が誕生しなければ、日本を取り戻すことは無理である。私は私の都知事選立候補に政界再編の動きが起きるという願いをこめていた。


勿論、都知事は、日々の都民の暮らしを守らなければいけないので、私は都知事としての政策も具体的に掲げて戦った。まずは上向き始めた日本経済をこのまま上昇軌道に乗せなければならないので、そのために東京総合経済対策(タモガミクス)を打ち出した。①第一の矢は都民税の減税である。4月の消費税増税で景気の腰が折れないように、その影響を緩和するため、都民税の減税を行うこととした。②第二の矢は公共事業の拡大である。東京のインフラなどの耐震性の向上を急ぐ必要がある、またオリンピックの準備を推進しなければならない。そのために公共事業を拡大し、景気を引っ張る必要がある。③第三の矢は中小企業支援である。日本の景気は回復に向けて動き出しているが、日本の企業数の99%以上を占める中小企業では、いまだ賃金の上昇は見られない。中小企業全体に十分な仕事が行き渡っていないので、公共事業の拡大により中小企業に十分な仕事が生れるようにしなければいけない。幸い東京都は1兆5千億円以上の基金があり、今年度は景気回復により約3900億円の税収増も見込まれているので、これらを実施する財政基盤は十分である。


そのほかには、少子化に歯止めをかける子育て支援策、お年寄りを独りぼっちにしない高齢者対策、高齢者や障害者に優しい町づくり、子供たちの学力向上と国民としての誇りを持てる歴史教育、モラル向上のための道徳教育などを訴えた。


結果は61万票で当選には遠く及ばなかったが、政党の支持もなく、組織票も期待できない中で、個人票としての61万票であるので、今後の政治活動を展開する上では、大きな励みになる得票であった。今後とも我が国に、日本を取り戻す日本派の政治家が集まる政党を誕生させるために政治運動を展開していきたいと思っている。