出でよ日本派の政治家 | 田母神俊雄オフィシャルブログ「志は高く、熱く燃える」Powered by Ameba

出でよ日本派の政治家

我が国の国会では、どこの国の国益を守ろうとしているのかわからないような発言をする政治家が多い。外国人の地方参政権付与法案など、少し想像力を働かせれば、これによっていかなる事態が発生することになるのか判りそうなものだ。


日本にはいま、50万人以上もの中国人が住み、毎年1万人以上も増えているという。これらの中国人が、地方の人口3万人や5万人の町に集結したら、その町の市長などは、たちまち中国の意を体した人になってしまう。合法的に日本の町が中国人に乗っ取られてしまうのだ。河添恵子氏の「中国人の世界乗っ取り計画」(産経新聞出版)によれば、カナダのリッチモンド市ではすでに人口の過半数が中国系になり町の景色、看板の文字、バスの車内で交わされる言語などは、すべてが中国に変貌しているという。もし、我が国で外国人の地方参政権が付与されることになれば、我が国にやってくる中国人はどんどん増加するであろう。そして、本国で選挙権を持たない中国人が日本国で選挙権を持つようになり、日本の街が中国の街へと変貌するであろう。北京オリンピック聖火リレーの際の長野市の状況を思い出しただけでぞっとする。


外国人参政権法案は、菅総理も推進すると明言しているし、多くの中国派の政治家も頑張るに違いない。これに対して、保守派といわれる政治家はこの法案には反対すると思う。保守派といわれる人たちは、あまり中国が好きではなく、中国に対して毅然とした対応をすべきと主張する。彼らは中国よりはアメリカが好きで、日本の安全保障の根幹は日米安全保障条約だと考えている。それは、現在の日本がおかれた状況を考えれば最善の方策であると思う。しかし、日本の保守派といわれる政治家は、日本的な伝統文化を守ろうとするよりは、アメリカの言う通りにした方がよいと思っている人たちが多い。


現在進行中の日本の政治、経済、金融、雇用のシステムのアメリカ化などには、全くの無頓着である。日本の国益を守るのではなく、アメリカとぶつかることだけは、絶対に避けようとしているのだ。たとえば核武装すべきではないと主張する人の多くは、それによって日米関係が悪くなるからという理由を挙げる人が多い。



それらの人たちに私は質問をしたい。「それでは、アメリカが日本に核武装を薦めた場合でも、あなたは核武装に反対するのですか?」 と。



どんなに困難なことでも、政府が総力を挙げて努力をすれば達成できないことは少ない。アメリカが反対をしても、それを説得するのは政治家や外交官の仕事である。これに挑戦する勇気がないから、失敗したくないという自己保身から、困難であるという理由をつけてやらない場合がほとんどだと私は思っている。だから我が国はいつまで経っても真の独立国になれないままである。55年体制化で自由民主党が綱領で目指した真の独立国家は55年後の今日でも未だ達成されていない。


日本とアメリカは、それぞれ別個の独立国であり、日米の国益が一致するわけがない。日米は政治的には同盟国であっても、経済的な利害は対立することが多いのだ。アメリカの言う通りばかりしていたら、我が国が損をすることが多い。だから、我が国の国益を守るためには、アメリカに対しても必要な主張はしなければならない。もっとも、アメリカに守ってもらわなければならない現状を考えれば、我が国の対米主張にも限度があることは認めざるを得ない。自分の国を自分で守れなくては、強い主張も出来かねる。だからこそ軍事力、情報力を増強し真の独立国を目指さなければならない。


私のような主張は、しばしば反米だといわれることがある。しかし私はアメリカを敵視しているわけではない。私は反米ではなく親日であるだけなのだ。絶対に妥協するななどと硬直的な主張をしているわけではない。政治はリアリズムだから、どこかで妥協が必要なことは、私も十分に理解しているつもりである。しかし、真の独立国を目指す覚悟がなくて、世界の尊敬を受けることなど無理な話である。自分の国を自分で守ることが出来て初めて大人の国になったといえる。それが出来ないうちは子供のままである。日米対等などとは、とても現在の段階で言うことは出来ない。小学生が大人に向かって対等だと言っているようなものである。


我が国の保守派といわれる人たちの大半はアメリカ派なのである。日本の政治家には、中国派がいる、アメリカ派もいる。しかし、日本派の政治家が極めて少ないように思う。中国やアメリカへの過剰な気配りをやめて、真に我が国の国益を追求する日本派の政治家に出てきてもらいたい。



<参考文献>

中国人の世界乗っ取り計画/河添恵子


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