年末年始とお盆、そしてGW中は夫婦間のトラブルに関する相談が増えます。いつもなら「忙しいから」とスルーしていることも、連休で四六時中一緒にいるからこそ、「だいたいあなたはいつも……」とか、「実は前から気になっていたんだけどさあ」などと、表面化しやすいのです。

 

それが旅行中なんかに勃発すると、せっかくの家族の楽しい思い出が台無しに。「たまの休みなのに、なんでこんな思いをしなくちゃいけないのか」と、悲しくなります。あるいは「なぜあそこで我慢できずにあんな言い方しちゃったんだろう」と、自己嫌悪に陥ることもあります。こんな思いをするくらいなら、連休なんてとらないで、家族バラバラに過ごせば良かったなんて思ってしまったりもします。

 

でも、それって、連休が悪いわけじゃないんです。夫婦のどちらかが悪いわけでもありません。

 

どんなに愛し合って結婚した二人でも、いっしょに生活をしていれば、必ず毎日少しずつズレが生じます。だから毎日目を見て会話して、相手を思いやって、その都度ズレを解消することが大切なのです。

 

でもお互いに忙しい日々が続くと、小さなズレを解消できないまま、歪みが大きくなり、いつか大爆発を起こします。地震が起こるメカニズムと同じです。

 

つまり、連休という機会があったからこそ、それまで溜まりに溜まっていた負のエネルギーを一気に放出できたわけであり、連休がなければそのエネルギーが温存され続け、いつか取り返しの付かない大地震を起こしていたかもしれないのです。

 

どちらか一方が心の余裕をなくしても、もう片方に余裕があれば、ストレスを受け止めて癒やしてあげることができるはずなのですが、二人とも余裕をなくした状態が続くときが危険なのです。そして子育て中は、得てしてそうなりがちです。連休をきっかけに、そのことに気付くことができたのだととらえ、夫婦関係を見直しましょう。

 

連休中の夫婦喧嘩がきっかけで、またひとつ夫婦が進化したのなら、まさに「雨降って地固まる」。夫婦とは、そうやって少しずつ夫婦らしくなっていくものです。

 

連休のたびに夫婦喧嘩になってしまうという夫婦は、連休以外の普段のライフスタイルを見直してみてください。できることなら、日々生じる小さなズレを、こまめに修整できるような夫婦関係を目指したいものです。

 

毎日5分でもいいから必ず会話をするとか、1週間に30分だけでもいいから夫婦二人で何もせずに過ごす時間を決めるとか、無理のないところから始めましょう。「最近忙しそうだね。大丈夫?」と一言思いやりの声をかけるだけでも違います。

 

本当の信頼関係とは、傷つけ合うことを恐れて遠慮することではなく、仮に傷つけ合ったとしても自分たちなら必ず乗り越えられると信じ合えることです。「もめごとも乗り越えれば二人の宝物」と思えるようになることです。

 

「ものすごくむかついて、ぶつかることも多いけど、このひとは絶対に逃げない。どんなに本音をさらけ出し合ったとしても、必ず最後まで向き合ってくれる」。そんな信頼関係が築ければ、夫婦として上等です。

 

 

※2018年5月10日のJFNラジオ「OH! HAPPY MORNING」でお話しした内容です。「上手な夫婦喧嘩のコツ」はこちらの記事で読めます。

http://blogos.com/article/294599/