夫婦で生活をしていると、お互いにいろいろと思うことはあります。

夫婦とはいえどももともとは赤の他人ですから、感じ方、考え方が違って当然です。

難しいのが、「この違和感は伝えたほうがいいのか、黙っていたほうがいいのか」という判断です。

 

一般的に、我慢が美徳とされることは多いですが、「必要な夫婦喧嘩」を先送りにしていいことはありません。

ときには勇気をもって腹の中をさらけ出し合いましょう。

ただし、必要以上に相手を傷つけたり叩きのめしたりする必要なんて全然ありません。問題意識を共有するだけでいいんです。

 

自分を主語にして違和感を伝えるのが上手な方法です。

「私はこう感じる」「自分はこうだと思うんだけど。君はどう思うの?」などと伝えれば、相手を批難していることにはなりません。

そして意見が違っても、その場で意見をすり合わせようとせず、いったん議論はおしまいにします。

 

あとはその後の生活の中でお互いに譲れるところを譲って、譲れない部分は譲らなければいい。

それぞれに考え方がありますから、それをどちらかに統一する必要はありません。

こうやって、お互いの腹の中をさらけ出し合い、常に問題意識を共有することで、夫婦の相互理解や絆が深まり、少しずつ夫婦関係は進化します。

 

逆に我慢をため込むと「自分がこんなに我慢しているのに!」と相手にも我慢を求めるようになり、結局お互いに首を絞め合う状態に陥り、お互いに窒息寸前になってしまいます。

我慢は禁物ということです。

 

本音をぶつけ合うことはとき痛みを伴います。

しかし、相手のことを思えばこそ、その痛みを乗り越えて、夫婦として一段上のステージに上がろうと思えるはずです。

相手に遠慮して自分の本心を伝えないというのは一見思いやりのように見えて、相手を過小評価していることにほかなりません。

「本心を伝えたら怒っちゃうだろうな」とか「意見を聞き入れてはくれないだろうな」と、相手の能力を見限ってしまっていることだからです。

そういう夫婦関係は、本当の信頼関係で結ばれている夫婦関係とはいえないでしょう。

そうやって、問題としっかりと向き合わず、ごまかしながら夫婦を続けていると、いつかそれがマグマのように吹き出して、修復不可能な関係へと、夫婦関係が崩壊してしまう危険性があります。

 

本当の信頼関係とは、傷つけ合うことを恐れて遠慮することではなく、仮に傷つけ合ったとしても自分たちなら必ず乗り越えられると信じ合えることです。

「もめごとも乗り越えれば二人の宝物」と思えるようになることです。

「ものすごくむかついてぶつかることも多いけど、この人は絶対に逃げない。どんなに本音をさらけ出し合ったとしても、必ず最後まで向き合ってくれる」。そんな信頼関係が築ければ、夫婦として上等です。

 

本気の夫婦喧嘩とは、相手を徹底的に潰してやろうということではなくて、みっともない部分も含めてお互いをさらけ出すことです。

精神的に裸になって相手ととっくみあいすることです。

そこまでして自分を理解してもらおうとすることです。

まさに夫婦の営みそのものですよね。

 

そんな話を最近1冊の本にまとめました。

タイトルは、『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法』です。

過激なタイトルですけど、ピンク名内容ではありません。

喧嘩にしてもセックスにしても、大切なのはテクニックよりも思いやりってことです。

http://amzn.to/2q3EqNm

 

5月19日にはこの本の出版を記念して、ビールが飲める本屋さんとして有名な下北沢のB&Bで、トークイベントを開催します。

私のトークのお相手をしてくれるのは、VERY編集長の今尾朝子さんとイクメン雑誌FQ JAPAN編集長の宇都直也さん。

ほかにもスペシャルゲストの登壇を予定しています。

http://bookandbeer.com/event/20170519_bt/

 

もっとも愛おしくてもっともやっかいな夫婦という関係性にについて、明るく愉快に語り合いましょう!

 

※全国のFMラジオネットワークJFNの「OH! HAPPY MORNING」4月27日に放送した内容を掲載しています。