フリースクールって言葉は聞いたことがあっても、具体的に、どんな建物を使っているのか、どんな学習をしているのか、何を目的としているのか、どんなスタッフが子どもと接しているのか……、わからないひとがほとんどだと思います。

そもそも言葉の定義も曖昧です。日本では、不登校の受け皿としてつくられる、「学校教育法が定める学校」ではない教育機関のことを指すことが多いのが現状です。

単に学校の代替物ってわけではないんです。「学校は無理!」ってなってある意味で学校制度というものに傷ついてしまった子どもでも、安心と自信を取り戻し、自分自身を取り戻し、大人や社会への信頼を取り戻し、それぞれのペースで自立に向けての学習を進める場所といえば、なんとなくイメージがつくでしょうか。

いまちょうど日テレの土曜日9時に、「タツキ先生は甘すぎる!」という、フリースクールを舞台にしたドラマをやっていますから、あれを見ると、より具体的にイメージがつかめるんじゃないかと思います。ただし実態は、本当に千差万別、多種多様です。ふたつとして同じフリースクールはありません。

いま、不登校の状態にある小学生・中学生が35万人を超えています。小中学生の総数が約900万人ですから、約4%です。学校の1学年に生徒が100人いたら、4人が不登校の状態ということです。小学生の親御さんと話していると「うちの子もいつ不登校になるかわからない」と不安を抱えている方も多い印象です。

先日講談社のコクリコというweb媒体がアンケート調査を行ったところ、約83%の保護者がわが子が不登校になる可能性を考えたことがあるにもかかわらず、フリースクールについては約半数が「探し方や場所など全く見当がつかない」と回答し、「名前を聞いたことがある程度で具体的な心当たりはない」と答えたひとと合わせると、約85%が具体的な情報をもっていないことがわかりました。

不登校はいつ誰がなってもおかしくないと言われていながら、不登校になったときに受け皿であるフリースクールについて事前に情報を得ているひとは少ないという実態が明らかになりました。

つまり、ある日突然、わが子が学校に行けなくなったり、行かなくなったりすると、その時点でほとんどの保護者は慌てて、狼狽えます。動揺して、焦っている状態でフリースクール探しを始めることになります。

でも、不登校になりたての子どもは、見学に行くのも嫌がったりしますから、親はなおさら焦ります。しかもネットで「不登校」とか「フリースクール」とか検索すると、いわゆる不登校ビジネスと呼ばれるような有料サービスの広告がバンバン出てくるようになります。予備知識がない状態でそういうものに触れてしまうと、すぐに洗脳されてしまいます。

ですから、近所の習い事教室や学習塾を調べておく感覚で、むしろお子さんが元気に学校に通っているうちに、フリースクールについても情報を集めておくといいのではないかと思います。「いざとなったら」という安心感があると、心に余裕もできますから。

フリースクールについて調べてみようかなと思ったら、ぜひ『フリースクールという選択』という私の新刊も参考にしてみてください。世の中にはいろんなフリースクールがあるということと、多種多様なフリースクールをどんな観点で見ればいいのかがコンパクトにわかるようにまとまっています。
 

※2026年5月14日のFMラジオJFN系列「OH! HAPPY MORNING」でお話しした内容です。