ソバダイニング クワトロ
品川区(大森海岸)
【注文】 海 魚海香る塩そば 特製
【価格】 1000円(特製200円含む)
[訪問時期] 2016年9月下旬(平日) 夜
[注文方法] 券売機にて
[出汁] 魚介/清湯
[味] 塩
[麺] 細麺(140g位)
[具] チャーシュー、鶏ハム、薩摩揚げ、味玉、ピンクペッパー、水菜、オゴノリ、茗荷、白髪葱、(別添)
あおさ
[別注文] チャーシュー(ツマミ、250円)
話題の新店が多い中、宿題をひとつクリアするために会社帰りの地道な麺活。
ビールでしばし喉を潤すのだが、ツマミに選んだ「チャーシュー」250円は炙りの入った大ぶりなバラロール3枚に極太メンマ3本が添えられたもの。
何らかのサービスだと思うが、かなりテンションが上がる。
店内スペースを有効活用するために凸をつけたカウンター席は、満席近くなるとやや窮屈に感じるか。
頃合いで作っていただいた麺は、レンゲと箸を窪みに据え付けたシックな木製トレーで登場する。
■ スープ
薀蓄によれば素材は魚介オンリーらしいが、4種の節系や2種の煮干に加えて塩ダレに仕込んだ貝やイカが複雑に絡み合い、かなり分厚いスープ。
クリアな清湯を啜ると強めの節系がジュワッと寄せ、煮干や昆布、貝類の旨味が後を追う。
節系優勢の和出汁からは動物風味を感じず、油も魚介由来なのか。
塩ダレは円やかに海感を引き立て、余韻の寸前で切れ味を発揮する。
その余韻の長さ、終盤ますます高まる出汁感は特筆すべきだろう。
斬新なタイプではないが、ネーミングに相応しい素晴らしいスープだ。
■ 麺
自家製の細めなストレートで全粒粉配合。
ザラついた麺肌が海のスープを良く拾い上げ、自らの豊かな風味と拮抗させていく。
歯応えと歯切れの良さを感じられる低加水タイプで、スープとの調和も上々。
終盤にややダレを感じるのは致し方のないところか。
麺量は150gまでは無いように感じた。
■ 具
チャーシュー、鶏ハム、薩摩揚げ、味玉、ピンクペッパー、水菜、オゴノリ、茗荷、白髪葱と多彩なラインナップ。
更に刻んだあおさがタップリと添えられる。
鶏ハムと称するのは、しっとりジューシーな鶏ムネ肉のレアチャー。
淡い味付けでスープと一体化していく。
その下に豚バラロールの煮豚が隠れているのには、中盤まで気付かなかった。
先ほどのオツマミと同様に炙りが入れられている。
薩摩揚げからは僅かに海老の風味。
このチャーシューと薩摩揚げから徐々に油が落ちて来るのだが、繊細な海のスープに多少のまったり感を与えるも、大きく影響するレベルではなかった。
数々の薬味陣は多様な楽しみ方が出来る一方、デパート的でやや調和に欠けるようにも感じる。
更に中盤投下したあおさは強い風味で即座にスープに君臨し、繊細な出汁感とは訣別せざるを得なかった。
■ 感想など
斬新さよりも質の高さを丁寧に追求したスープが自家製麺と良くマッチし、基本的にかなり満足した一杯だった。
やや気になったのは具の調和。
具は言わば特製仕様で種類も10種に及び、コスパ含めて嬉しい反面、淡麗清湯にしてはゴチャゴチャのやり過ぎ感が無きにしも非ず。
こんな贅沢を言ったら叱られそうだが。
この「海」と鶏がテーマの「空」を提供中の当店。
更に「山」と「川」が加わり、4つのメニューが揃って店名のクワトロが完成する。
薀蓄には「海&鶏」のスープを準備中のような記載があるが、真相はどうだろうか。
いずれにしても再訪が楽しみな店だ。
ご馳走さまでした~