を、読んだ。
医療系の小説に手を出すのは初めてだったので、分かりにくいかなと思っていたが、意外と、技術がどうのこうのというより、舞台の病院での人間ドラマが中心だったので読みやすかった。
総合病院の若い副院長であり自身も手術の高い技術を持ち奇跡を信じて死の回避への妥協を許さない福原と、皮膚科でありながら面談では助かる見込みのない患者には容赦なく「もう助からない」と告げるという死神の異名を持つ桐子。医大生の頃は親友であったのに今や正反対の立場になっていて、福原は桐子を毛嫌いしている。しかし、読者はすぐに気付く。2人は根本は同じものを目指している。目指し方こそ正反対だが、2人の見ている未来は同じなのだ。そんな関係が切なかった。
私は作中を通して、桐子は医者に向いていないのじゃないかなと思いながら読んでいた。どっちかっていうと、福原に考えは寄っている。それは読む人それぞれ色んな立場があると思うのでぜひ読んで考えて見て欲しい。