原作も読んでいないし映画も観ていないのでタイトルの意味はまったく不明だが、個人的に解釈すれば、この言葉を日本語に訳すと、「運転代われ」ということにならないだろうか。

 

つまり、ある人が自分のクルマを運転していて、助手席に乗っている人に、「Drive my car」と言ったとすると、直訳では「私の車を運転しなさい」ということになるが、シチュエーションからすれば、その意訳は「運転代われ」になりはしないか。だって、いま自分のクルマを自分で運転しているのに、ドライブ・マイ・カーと言ったら、そうとしか解釈できないんだもん。

 

あるいは、車に乗っていなくて、これからだれかが運転して出かけるというときにドライブ・マイ・カーと車の持ち主が言ったら、その意味はやはり「運転代わって」になるだろう。

 

こりゃ、映画を観て確認したほうがいいかもしれないな。

 

Amazonのカスタマーレビューをちらっと見ても、タイトルの意味に言及しているものはなかったし、じつは小説家としての村上春樹にはあまり関心がないし、映画にも食指が動かないので、どうしても原作を読むのも映画を観るのもおっくうで、それに時間を取られるくらいなら好きなアメリカ文学を読んだり海外ドラマを観たりするほうがはるかにいいと思ってしまうのである。誰か教えてください、このタイトルのほんとうの意味を。ネタバレになってもかまいませんが、いちおう最初に「ネタバレ注意」と断り書きをしていただければ幸いです。

久々にサスペンスが読みたくなり、フレデリック・フォーサイスの『ザ・フォックス』(黒川敏行訳 角川文庫)を手に取った。

 

フォーサイスは御年80ぐらいだが、その筆は未だ健在である。イッキ読み必至。

 

自閉症気味の若者のハッカーが政府機関にリクルートされ、ほとんど不可能とも言える偉業を達成していく。正直なところ、人間描写は細かなところまで行き届いていない印象だが、サスペンスとしては超一級。派手な撃ち合いはなくても興奮してしまう。国際謀略サスペンスの見本のような展開である。帯文にはいまの世界を知るための教科書だみたいなことが書かれているが、それも納得させられる。

 

名前は伏せられているが、プーチンやトランプ前大統領らしき人物も出てきて、高いリアリティを感じさせるとともに、思わずニヤリとさせられる。こんな極上品を文庫で読めるとは、いい時代になったものだ。紙数も無駄がないコンパクトな長さで、最近のやたら長い翻訳ものにうんざりしている人も手に取りやすいだろう。

 

個人的には『戦争の犬たち』がベストと思っているが、ITがらみの傑作を八十代で書き上げるところ、天才の所以である。

銀華文学賞というコンテストで入選になりました。「秋子と雀と艦載機」という短編で、こちらで無料で読めます。よかったら読んでね。

 

この賞は40歳以上が対象で、まあ、シルバー向けの文学賞ではありますね。

 

いつもは未来の話や現代の話を書いているのですが、なにをとち狂ったのか、太平洋戦争末期の話を書いてしまいました。

 

ただ、最優秀賞でも優秀賞でも佳作でもなく、もらえるのは記念品だけ。言わば末席ですな。でも、まったく入選しないよりはマシか。

 

ところで、二つの文学賞で入選したのを記念に、メルマガなんぞを創刊してしまいました。内容は小説作法。創刊号は2月3日配信です。よかったら、サンプルだけでも読んでください。

 

しかし、メルマガに力を入れはじめたため、本来の創作がおろそかになってしまいました。書きたいネタはいっぱいあるのに、どうしても時間が取れない。ジレンマです。