眉村卓が好きな作家なので、映画『僕と妻の1778の物語』を観た。
図らずもうるうるしてしまった。難病ものだから展開が大体わかってはいるのだが、それでもうるうるとしてしまった。
しかし、冷静に考えると、これはかなり「?」な映画である。
いつの時代か、さっぱりわからない。
主人公の朔太郎がパソコンではなく手書きで小説を書いているのはわかる。
モデルの眉村卓は、1960年代から小説を書いている。したがって、今でも手書きで書いていたとしても不思議ではない。なので、まだパソコンのなかった時代とも、パソコンの普及した現代とも考えられる。
しかし、出版社の編集部にもパソコンがない。ということは、パソコンのなかった時代を描いたものだろうか。
だが、病院内に一箇所だけパソコンがあったところが映っている。
どう考えてもおかしい。いったいどちらなのだ。
また、朔太郎の作家仲間の滝沢は、シトロエンの古いタイプに乗っている。やはり、数十年前の昔の話なのか。
だが、朔太郎の家には、どう見ても最近の型としか思えないFAX電話がある。
いったいどっちなんだよおと叫びたくなる。
意図的に時代を特定できないようにぼかしたのだろうか。携帯電話も出てこないしなあ。
というわけで、頭の中がはてなマークだらけになってしまった弾射音でした。