室蘭で10月11日から13日までの3日間に渡り行われた全国高校女子サッカー選手権道予選。決勝は大
方の予想通り、北海道文教大学明清高校(以下、明清)と北海道大谷室蘭高校(以下、ランタ)のカードと
なった。
筆者も日程が並行していたJ2やJユースカップとの兼ね合いもあり、ゆっくり観れたのは決勝のみで11
日と13日は明清絡みの試合しか観ることができなかったが、今回はその決勝以外で観ることができた試
合について書いてみたい。
11日に観戦したのは明清vs.稚内高校。
稚内は以前仕事で担当していた地域で出張で何度も訪れていた愛着ある街であり、稚内高校が地元で
「チコウ」の愛称で親しまれていることも知っていた。が、女子サッカー部の存在は最近まで全く知らず、た
またま日本サッカー協会ホームページでのレポートで稚内高校女子サッカー部向けの審判講習会の様子
が紹介されており、それで存在を知ったくらい。
北海道の高校女子サッカーは明清とランタのほぼ2強状態で、中々そこに追い付ける高校が現れない
のが現状。そして試合が始まると予想通り、明清の一方的な展開に。
結果から言うと、前後半で明清が16ゴールを奪う圧勝。順当に準決勝に駒を進めた。
しかし、この日の稚内高校と翌13日に明清と対戦した札幌東商業高校(11-0で明清の勝利)を観たが、
大差は付いたものの、個々の能力に関して言えば技術のある選手もこの両校に何人かいたし、悲観する
ほどでもない。大差が付いてモチベーションが落ちたりしないか心配だが、むしろ、何年もの積み上げをし
てきた強豪校とこれから強化していく高校が混在することで、よく女子サッカーで言われる「競技力の差」
を長いスパンで埋めていくことも大事なことだと思う。今や男子U-18年代日本最高峰のプレミアリーグを
戦うコンサドーレ札幌U-18の四方田監督は「地域のレベルが上がらなければコンサドーレ(U-18)のレベ
ルも上がっていかない」と話す。「競技力の差」を理由に大会方式に賛否両論があるのは当然だとは思う
が、個人的には身近に大きな壁があるのは良いことだと思ってるし、目標にもなる。なので、ぜひ今回の
選手権道予選に参加した全国に出場する2校以外の高校の皆さんも3年生は今後も何らかの形でサッ
カーを続けてほしいし、2・1年生の皆さんはモチベーションを下げずに新たな目標として来年のインターハ
イ、選手権道予選に挑んでほしい。「自分たちのレベルが上がれば北海道の、果ては全国、なでしこのレ
ベルまで上がっていくんだ」という大きな志を持って頑張って下さい。