医療保護入院における家族等の同意に関する運用の考え方

 

1.今回の法改正においては、保護者制度の廃止に伴い、医療保護入院について精神保健指定医1名の判定とともに、家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人をいう。以下同じ。)のうちいずれかの者の同意を必要とすることとした。(法第33条第1項及び第2項)2.当該改正の趣旨は、適切な入院医療へのアクセスを確保しつつ、医療保護入院における精神障害者の家族等に対する十分な説明とその合意の確保、精神障害者の権利擁護等を図るものである。3.なお、医療保護入院は、本人の同意を得ることなく入院させる制度であることから、その運用には格別の慎重さが求められる。本人の同意が求められる状態である場合には、可能な限り、本人に対して入院医療の必要性等について十分な説明を行い、その同意を得て、任意入院となるように努めなければならない。4.医療保護入院においては、その診察の際に付き添う家族等が、通例、当該精神障害者を身近で支える家族等であると考えられることから、精神科病院の管理者(以下「管理者」という。)は、原則として、診察の際に患者に付き添う家族等に対して入院医療の必要性等について十分な説明を行い、当該家族等から同意を得ることが適当である。5.管理者が家族等の同意を得る際には、当該家族等の氏名、続柄等を書面で申告させて確認する。その際には、可能な範囲で運転免許証や各種医療保険の被保険者証等の提示による本人確認を行うことが望ましい。また、家族等の同意に関する書面の様式例を参考までに添付するので、適宜活用されたい。