健康な人の中性脂肪の基準値は、空腹時の測定で30~149mg/dLです。150mg/dL以上だと中性脂肪が高いことになり、脂質異常症の1つである「高トリグリセライド血症」と診断されます。

 

高トリグリセライド血症

高トリグリセライド血症とは、血液中の中性脂肪(トリグリセライド)の量が基準より多い状態です。中性脂肪の値が150mg/dl以上になると「高トリグリセライド血症」とされており、メタボリックシンドロームの診断基準にも盛り込まれています。

 

高トリグリセライド血症が持続すると、肝臓に脂肪が蓄積し、脂肪肝を引き起こす可能性があります。脂肪肝は肝機能の低下や炎症を引き起こすことがあり、進行すると肝線維症や肝硬変につながることもあります。

高トリグリセライド血症の食事制限としては、次のようなものがあります。

  • 糖質を多く含む菓子類やジュースなどの清涼飲料はやめる
  • 果物、穀類は適量を摂取する
  • アルコールは控える
  • 動物性脂肪から植物性脂肪へ、さらに魚料理(DHAやEPAが豊富な青背の魚)を食べる回数を増やす
  • 夕食の食べ過ぎや夜食はやめる
  • 積極的に運動をする

高トリグリセライド血症の値は食事に大きな影響を受け、食後は必ず上がります。ですから、食事や運動習慣を見直すと下がり、食べすぎ飲みすぎが続くと簡単に上がります。運動にはトリグリセライドを減らすとともに、善玉コレステロールを増やす効果もあります。

 

中性脂肪が増えると、血液サラサラの状態から、血液ドロドロになることがあります。また、善玉のHDLコレステロールが減少し、悪玉のLDLコレステロールを増加させてしまいます。さらに動脈硬化が進行し、血管がつまりやすくなり、無理な力が加わることで破れやすくもなります。

中性脂肪の値を下げるためには、摂取カロリーを見直し、脂質や糖質の摂取量を制限することが必要です。またn-3系多価不飽和脂肪酸を含む魚を摂取するようにしましょう。さらに定期的に運動を行うこと、十分な睡眠をとることも中性脂肪の値を下げるのに効果的とされます。