ロボトミーはノーベル賞

 

ポルトガルの精神外科医であるエガス・モニスは、1949年に前頭葉切断手術(ロボトミー)を考案した功績を認められ、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

 

ロボトミーは、精神疾患を根本的に治療することを目的としていました。モニスは、この手術が精神疾患に対する効果的な治療法であると主張しましたが、大きな副作用があることも指摘されています。

ロボトミーは、モニスのノーベル賞受賞によって奇跡の治療として市民権を得ました。しかし、受賞からわずか3年後に、ロボトミーに対する強力なライバルが登場します。1975年には、日本精神神経学会が精神外科を「副作用に可逆性が無い」という趣旨で否決したため、ロボトミー手術は自主規制されました。

現在では、ロボトミー手術の被害者団体からモニスの受賞を抹消するよう何度も申請されており、「史上最悪のノーベル賞」とまで揶揄されています。