花粉症などのアレルギーや、がんなどの疾患に深く関与する免疫。実は大腸の腸内細菌が、免疫機能と密接にかかわっていることがわかってきた! その仕組みを追いながら、腸の環境を改善し、免疫を整える

 

長寿者の腸内細菌のヒミツ

長寿の町として知られる京都府京丹後市の高齢者を対象に行った腸内フローラの調査で、「ファーミキューテス」と呼ばれる腸内細菌が非常に多いことが分かりました。ファーミキューテスは悪玉菌ではなく、腸内で食物繊維を醗酵させて短鎖脂肪酸の産生を促します。この短鎖脂肪酸は悪玉菌の増殖を抑える他、腸の免疫機能を高めたり炎症を抑えたりするなど体にとって様々なよい働きをすると考えられ、今、大きな注目を浴びています。

 

自分の腸内環境の状態を知るには?

A2 毎日の便を見ていれば、ほぼ分かります。

腸でつくられる便を観察していれば、腸内の状態をほぼ知ることができます。排便時に便の硬さ、色、においをチェックしましょう。
よい腸内環境でつくられる便は滑らかなバナナ状で、においは強くありません。一方、腸内環境が乱れていると、硬くコロコロした便やゆるい液状の便などが出るようになります。下痢や便秘を繰り返したり、おならが増えたりするのも、悪玉菌が増えている証拠です。また、排便に55秒以上かかるのは便秘の可能性があります。便秘が長期間に及ぶ場合は、市販の便秘薬を適切に使うのも一案です。
理想的な便の色は、やや黄色に近い茶色ですが、腸内の停滞時間が長いと、便に含まれる胆汁酸が濃くなって黒い便になります。また、赤い便は血便が、白い便は胆のうや胆管の病気が疑われるので、必ず消化器科で検査を受けるようにしてください。