ヒスタミンはなぜ体内にあるのか

 

ヒスタミンは人間の身体の中では主に白血球の一種である、肥満細胞や好塩基性白血球(のどや鼻粘膜の上皮に多い)に蓄えられていますが、外傷や火傷、毒物、薬物、アレルギーの原因となる物質が体内に入ると活性化し、細胞から放出されます

 

作業記憶とは、情報を一時的に保持しながら同時に処理する能力のことで、複雑な思考・行動の基盤となる重要な認知機能です。これまで数多くのfMRIを用いた研究によって、作業記憶には前頭葉の働きが重要であることが報告されています。
 近年は、動物を用いた実験から、作業記憶などの認知機能にヒスタミンH3受容体が関与していることが報告されています。ヒスタミンH3受容体は、ヒスタミン神経終末部のシナプス前膜に存在し、ヒスタミンの合成や放出を抑制します。また、他の神経系の終末部のシナプス前膜にも存在し、アセチルコリン、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン、グルタミン酸、GABAの放出を抑制します(図1)。ネズミを用いた実験では、ヒスヒスタミンH3受容体の働きを、拮抗薬を用いて阻害することによりヒスタミンの放出量を増大させると、作業記憶が改善する

 

ヒスタミンの良い作用は?

【ヒスタミンの持つ食欲抑制効果】

ヒスタミンは、鼻詰まりやかゆみを引き起こすやっかいな特徴がある反面、脳に入ると満腹中枢に作用して「食欲抑制」効果と交感神経を刺激して「脂肪燃焼」の促進を期待できます。 脳内には、空腹感や満腹感を感じる「摂取中枢」と「満腹中枢」が存在します。