雑誌に載る日本人の論文はわずか1%ほどです。日本の医学界では大学の医局に残る医師が多く、研究者の割合は世界一なのに、臨床論文は少ない。なぜ、そのような不思議な現象が起こるのか?

 それは、定説を覆がえそうとする研究者が少ないからだ、と私は思っています。

 先の健診もその1つです。定められた正常値を絶対視して、患者さんが薬による不調を訴えても「数値が悪いので」の一言でおしまい。そんな医療が実際に行われているのです。

 この事実から、どんな選択が考えられるのでしょうか?

大量の薬や手術が逆に寿命を縮める原因に

 その1つは「医師の話をうのみにしない」という選択です。

「医者の不養生」という言葉があります。医師は自分の健康や体には無頓着だという意味です。ウソのような本当の話ですが、医師は患者さんには薬や健診を勧めるのに、自分ではやりたがりません。