覚醒剤ですら処方箋医薬品

ヒロポンは、2020年現在、処方箋医薬品 Wikipediaから

 

1888年(明治21年)、日本の薬学者・長井長義が『麻黄研究物質第33号』として合成し、1893年(明治26年)に薬学雑誌に発表した。1919年(大正8年)、緒方章がその結晶化に成功した。合成に成功した当時は、覚醒作用や依存性は発見されていなかった。

 

それ以来注目されていない薬物であったが、1938年にはナチス・ドイツで Pervitin という薬として使われ、1940年には嗜癖性が報告され、1954年までに精神病の報告が20数例、西ドイツ、スイス、チェコスロバキアなどから寄せられる。これは薬を中止すれば止まり、精神病が進行していくものではない。

 

メタンフェタミンは強力な性欲多幸感持久力および緊張感をもたらすため 、以前から媚薬として使われる。従って、「PnPとして知られるドラッグカルチャーの全体はメタンフェタミンに基づく」という見方もあり、出会い系サイトで「chems」や「PNP」などをプロフィールに掲載するだけでメタンフェタミンの愛用者だと分かるほどである。

 

メタンフェタミン及び類似の覚醒剤は眠気を飛ばし、性的興奮を高め、射精を抑制する効果があるため、性行為を何時間も持続させることができる。適切な用量を超えるメタンフェタミンを摂取した場合、中毒症状は最大8時間も続く。

 

一部のケースでは、メタンフェタミンを繰り返して使用したことにより、性行為を数日間に続けたこともある。しかし、その後の離脱症状は非常に重篤な過眠症である。

 

強い中枢興奮作用および精神依存性薬剤耐性がある。日本では商品名ヒロポンで販売されているが、現在は「限定的な医療・研究用途での使用」のみに厳しく制限されている。

 

ヒロポン (Philopon) とは、大日本製薬(現・大日本住友製薬)によるメタンフェタミンの商品名。同社の登録商標の第364236号の1である。成分名は塩酸メタンフェタミン。剤型はアンプルおよび錠剤である。ヒロポンの名は、ギリシア語の(労働を愛する)が由来である。

 

詳細は「覚醒剤#日本での覚醒剤の歴史」および「大日本住友製薬#主要商品」を参照

2020年現在、処方箋医薬品として「ヒロポン錠」「ヒロポン注射液」の二種類が製造されており、都道府県知事から施用機関の指定を受けた医療機関からの注文に対応している。