結核菌は、ヒトの結核の原因となる細菌。1882年3月24日、細菌学者ロベルト・コッホにより発見された。
ヒトの病原菌としては、コッホの原則に基づいて病原性が証明された最初のものである。グラム陽性桿菌である抗酸菌の一種であり、細胞構造や培養のための条件など多くの点で他の一般的な細菌と異なる。
特に、ミコール酸と呼ばれる特有の脂質に富んだ細胞壁を持つため消毒薬や乾燥に対して高い抵抗性を有する。保菌者の咳やくしゃみなどの飛沫、あるいはそれが乾燥したものを含むほこりなどから空気感染して、肺胞マクロファージの細胞内に感染し、肺結核をはじめとする各種の結核の原因となる。
結核菌は、ヒトのくしゃみ、咳などで空気中に飛散し、空気感染を引き起こすことが多い(正確には飛沫核感染である)。結核菌を吸い込んだとしても、免疫がしばらく菌を閉じ込めてしまい、すぐには発症しない。しかし、ほうっておくと、咳や微熱が出る。病状が進行していくと、最悪の場合死に至る。
結核菌は2010年代でも世界で150万人が死亡した、人間にとって最も病原力の強い細菌のひとつである。この原因は、
などによる。結核菌は、細菌を殺す人間の主要な免疫細胞であるマクロファージ(食細胞)の中で繁殖できるという、極めて特殊な機構をもつ。
大半の正常な免疫能力をもつ健常者では、T細胞の助けをかりてマクロファージごと細菌を殺して封じ込めるため、無症状か軽い症状で済むが、免疫能力の劣った人間には重い症状が発症する。
結核菌が起こす主な疾患
もっとも早く開発された方法は肺の中にいる結核菌の数が多い治療初期(治療開始2ヶ月間)には多剤(3~4剤)併用し、早期に体内の菌を殺菌するために毎日服用する。 その後は生き残った少数の菌を殺菌するために普通は2剤(イソニアジドとリファンピシン)を週2~3回服用する方法がある。
結核の治療 - 結核予防会結核研究所
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