デトックス作用のある玄米・・・フィチン酸とフィチンは異なる

 

玄米には、白米にするときに精米して削り取ってしまう、「皮」「胚芽」「糠」の部分に豊富な栄養素が含まれている。

 

「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」、食べたものを消化・代謝するのを助けてくれる「フィチン酸」も「フィチン」という形で含まれている。

 

「フィチン酸」で、玄米が危険だと問題視されているものの、それは体内に入ってから分解されてからの話。

 

「フィチン酸」のデトックス効果が強力なため、体の中の必要なミネラルまで排出してしまい、ミネラルが欠乏してしまう、特に鉄が足りなくなり貧血になる???

 

玄米がデトックスフードと呼ばれるのは「フィチン酸」が「フィチン」という形で含まれているから。

体内で分解された「フィチン酸」が「キレート効果」をもたらしている。

 

「キレート効果」というのは、体に有用なビタミンやミネラルなどの成分を吸収し、

体に取り込むことを助けたり、逆に有害物質を排出しやすくしたりする働きのこと。

 

玄米に限らず、大豆などの豆類や野菜、海藻の中にもキレート作用のある食べ物は多い。

 

「フィチン酸」は有害物質と結合することでそれらを体の外へ排出する性質があるため、

キレート効果でデトックスができる。

 

玄米や他の食べものの中にも「フィチン酸」でなく「フィチン」がある。

フィチン酸とミネラルが結合した状態である「フィチン」という状態で存在している。

「フィチン」は体内に取り込まれ、胃の中で分解されて初めて「フィチン酸とミネラル」になる。

 

体に入る時点で既にミネラルと結合していたわけなので、体内のミネラルと結合して体の外に出たとしても、

「体の中のミネラルが減る」状態にはならない。

 

元々ミネラルをたくさん含んだ玄米、その量は実に白米の数倍・十数倍。

同じ量の白米を食べる場合と比べても、体の中のミネラルが増えることはあっても減ることはない。

フィチンが玄米などの種子類に含まれているのは、鳥などに食べられた際に

身を守ろうと排毒作用を促すためで、その作用が強く出るのは生の状態の場合。

 

炊いた状態の玄米ではその作用も弱まり、体内に取り込んでしまった農薬や

添加物などの化学物質をデトックスする働きをする。

「フィチン」は玄米に限らずほとんどの穀物や種子に含まれている成分で、

玄米よりもゴマや大豆の方がその含有量は2倍以上多い。

 

ゴマも大豆も玄米も、必ず火を通して食べられてきた。

大豆にはそれらの効果がさらに弱まる「発酵」という工程を経た

味噌や醤油、納豆などの発酵食品が多くある。

過剰に問題視したり、因果関係も不確実なまま多くの人が

情報を発信できる時代なので、本当の情報を得るのは難しい。

フィチン酸

1984年に、フィチン酸の多い米ぬかを毎日10グラム、2年間にわたり高カルシウム血症の患者に投与した研究があるが、カルシウム、リン、マグネシウムの低下はなかった。

 

食事調査では、1960年代から食物繊維が大腸がんを予防するのではないかと考えられてきたが、1985年、がんを予防しているのは食物繊維ではなくて繊維に含まれるフィチン酸の摂取量が多い場合に大腸がんの発生率が少ないことが報告された。その後、フィチン酸の単独投与によってがんの抑制作用が観察されていった。

 

全粒穀物、豆類、ナッツが豊富なことでフィチン酸が豊富である地中海食では、尿中に排泄されるフィチン酸が多かったため、これが病的な石灰化である結石や歯石、また癌の予防に関与している可能性がある。

 

1998年には京都で、フィチン酸などの米ぬか成分に関する国際シンポジウムが開かれ、フィチン酸の生理作用の研究報告がなされた。尿路結石腎結石の予防、歯垢形成の抑制、大腸がん、乳がん、肺がん、皮膚がんの予防に役立つ可能性がある。

 

https://www.nekase-genmai.com/column/9680.html