14世紀に起きたペストの大流行では、当時の世界人口4億5000万人の22%にあたる1億人が死亡したと推計されている。
ヨーロッパでは、1348年から1420年にかけて断続的に流行した。
放置すると肺炎などの合併症によりほぼ全員が死亡し、たとえ治療を試みたとしても、当時の未熟な医療技術では十分な効果は得られず、致命率は30%から60%に及んだ。
イングランドやイタリアでは人口の8割が死亡し、全滅した街や村もあった。
ペストによってもたらされた人口減は、それまでの社会構造の変化を強いられる大きな打撃を与えた。
19世紀末に北里柴三郎によって原因菌が突き止められ、有効な感染防止対策がなされ流行は減った。