彼と再会した時、ベテランの看護師さんが付き添いだった。
とても良くしゃべる方で、彼の緊張を少しでも解そうとしてくれているのが分かる
「朝から予定通りに行かなくて、大変だったんですよ 血圧も高くなっちゃって!」
え? それで手術遅れたんですか?
「それとは関係ないのよ
朝イチからだと、考える間もなく始まるんだけど、時間があったりすると上がっちゃったりしちゃうのよねぇ」
なに、緊張してるの
「バカ、俺だってこえぇよ、肝臓は」
最近、暴飲暴食ばかりしてたからねぇ
退院したら、考えを改めようね!
「食べれないより食べられる方が良いのよ
でも、今は白衣の天使だけど、
手術終わったら、歩けやら何やらビシバシ行くからねぇ」
「それが1番怖いっす」と彼。笑っ
「まぁ、1番怖いのは先生ね
先生は、吸血鬼!
私達は、それに群がるコウモリに過ぎないから」
コウモリ大事!
直ぐ甘える人だから、宜しくお願いします。
「術後、こんなもんかなんて自己判断しちゃダメよ。痛いも辛いも何もかも、◯さんにしか分からないんだからね。
やれる事の選択肢を増やさないと」
そうなんです。
意外と言わない人なので、しつこく聞いてあげて下さい!宜しくお願いします
前回のカルテに書いてあるのか?
まるでカウンセラーのように彼の扱いが上手い
ベテランの成せる技なのか
いよいよ手術室前に到着。
先に着いていたご夫婦だろうか?
私達と同年代の二人が座っいた。
こちらは女性が患者さんだ
手術看護師が女性を迎えに来た。
すると、彼女の眼から大粒の涙が
それでも、力を振り絞って彼に支えて貰いながら目の前を歩いて行く姿を見て、思わず頑張れと3人で声を掛けた。