彼の手術開始まで時間がある。
一度自宅に戻るには中途半端だし、万一病院から呼ばれたら直ぐに行けない。
幸い近くにショッピングモールがある。
そこで時間をつぶそう
気を紛らわすには最高だ。
ショッピングモール内の本屋によると、今時らしいおしゃれな内装で、最近はスマホばかりだったので紙が新鮮
6/27 15時30分
病棟前で彼を待つ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230927/23/toshie1614/8e/d3/j/o0607108015343688080.jpg?caw=800)
面会は禁止だが、手術前と手術後のみ会えるシステムらしい。
ベッドに寝たままの姿で
看護師さんに押されながら彼が来た。
手術室の前まで、付き添う。
病棟看護師から、オペ看護師にチェンジ。
いよいよだ。なんて声を掛けよう。
大丈夫?な訳はないし、痛い?に決まっている。
頑張れ
心配しないで、待ってるからねと声をかける。
、、、うるさいっと一言
通常運転。大丈夫だ。
いってらっしゃい
彼は、手術室に入っていった。
約2時間、予定どおり手術終了の連絡。
手術室前まで会いに行く。
全身麻酔から覚めたばかりの辛そうな彼。
手術前にうるさいと言われてしまった手前、
声をかけるのを躊躇う。
お疲れ様😌💓
軽く手を握った。
彼が握り返してきた
チョロい女だわぁ。
がん宣告を受けた日からの理不尽極まりない数々が全部吹っ飛んだ
私も相当だ
面会は、約1分。
彼は関係者専用エレベーターに連れられて、そこで別れた。
夜、実家でご飯をご馳走になり、
まさか入院した日に大量下血して輸血して手術なんて、家にいたらどうなってたんだ?と。
彼はツイテる、モッてる、ラッキーよと母が笑う。
そもそも、癌になった時点でツイてないんじゃないの?と姉がつっこむ笑
妹は、と悪い顔笑
久しぶりに楽しい時間だ。
彼には申し訳ないが、さすがの私も少し疲れた
22時過ぎ、実家から誰もいない自宅に帰る。
淋しさよりも、彼の痛みがこれで治まってくれる安堵の方が大きかった。
ベッドに横たわり、心配して待っている友人に報告をしようとスマホを開いたその時、
着信だ。
◯病院からだ。
「夜分遅くにすみません。
◯病院◯◯さんの主治医の◯◯です。
実は◯◯さんが、先ほど2度目の下血をしまして、
それもかなりの量なんです。」
なあ~~~~~にい~~~~~!!!!!