33 入院9日目・術後7日目 | Toshieのブログ②

Toshieのブログ②

2013.6 〜
境界悪性卵巣腫瘍の手術と経過観察、子宮筋腫の経過観察と治療について。

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子宮筋腫の手術と経過観察について。

2024.1 〜
子宮筋腫と子宮内膜症、貧血治療などについて。

心と身体と傷痕について綴ってます。

(2013/07/09)




早朝、5時前に男性の叫び声に叩き起された。


しきりに 『痛いよ―――――っっっ』 とか 『助けて―――っっっ』 とか

『もう嫌だよぉ―――っっっ』 とか、病院中に響き渡っているんじゃないかと思う程の大声。



声の正体は隣の病室の男性で、前の日に手術を受けていたので

痛み止めが切れて痛くて叫んでいたらしい。


術後に身体や傷が痛いのは嫌って程解るけど、大の男が大絶叫している事に正直驚いてしまった。

大声を出したら傷に響いて余計に痛いだろうに。。



看護士さん達が入って行って暫くすると静かになったので痛み止めが効いて眠ったようだった。






静かになったのを確認してアタシももう一度眠った。






起き掛けに検温から始まって一通り計った後は朝食を食べて10時の注射まで得に何も無かった。




一人で喋っているかイビキをかいて寝ているかのお隣さんから逃れるように

朝食の後、洗面所に行ってゆっくり歯みがきをしていると

そろそろ交代時間の夜勤の看護師さんに声をかけられた。


この看護師さんは手術の翌日の昼間に一度だけアタシを担当してくれた人で

離床の時に手伝ってくれた人だった。



洗面所まで歯みがきしに来れるようになった事を喜んでくれた。




部屋に戻って交代した日勤の看護師のIさんに注射をされて暫くすると

他の看護師さんが診察をするからと呼びに来た。




診察室に入って準備が終わる頃にK先生が入ってきた。



手術前日の診察の時は大きくなった卵巣のせいで見えなかった右の卵巣がキレイに見えると言われた。


傷口も体内も治りは順調なので明日、退院して良いと言われた。



そして、待望のお風呂も許可された。



病室に戻って少しするとIさんが手術した概要と退院後の生活についてが書かれた物を持ってきてくれた。

お風呂は早い方が良いだろうからと11時で予約しておいたからと言って

右腕に残っていた点滴用のラインを外してくれた。




予約の時間になったのでお風呂へ向かう途中で他の病室の中が見えた。


数日前、吐き気や息切れと格闘しながらトイレを往復していた時に病室にいた

患者さんの何人かが入れ変わって違う人になっていた。


みんな、どんどん退院して行くんだなぁ。。と、しみじみ思った。




それと同時に入院のまま止まっているように感じていた自分の時間も

退院に向けてやっと動き出したような感じがした。





入浴は1ヶ月くらいは出来ないけど自分でお風呂に入れる事が嬉しかった。




脱衣場でパジャマを脱いで腹帯を外して、初めて立ち上がった状態で自分のお腹を見た。


妊婦さんみたいにポッコリと突き出したお腹は嘘みたいにペッタンコになっていた。


傷の上からテープは貼ってあるものの手術の後は生々しくてお腹の表面は不自然に凸凹してるけど

何年か振りにペッタンコになったお腹がアタシには感動的だった。




1週間振りのシャワー、1週間振りのシャンプーは格別だった。


薬臭さや汗臭さが洗い流されて生き返った気分だった。




その後、病室に戻るとお隣さんは高イビキだったので洗面所でゆっくり髪を乾かした。




お風呂から出て病室に戻って荷物を置いて洗面所へ行って髪を乾かして。。

部屋に戻ろうと歩き出すと息切れが激しくなった。



それでも歩けそうだったので手刷りに掴まりながらノロノロと歩いていると補助員のTさんに目撃されて

『お風呂は物凄く体力を使うから気を付けなきゃダメだよ』 と言いながら部屋まで連れて行ってくれた。




暫くベッドに寝転がっていると呼吸が落ち着いた。




昼食を食べた後、長時間歩き回るのはまだまだ大変なので歩ける範囲をゆっくり歩いて

補助員のTさんの弾けた笑顔を探した。



何度目かでやっと見付けたTさんに退院の報告をした。


『元気になって帰ってくれるのが一番嬉しい』 と言って笑ってくれた。




病室に戻るとさすがに疲れたのかそのまま眠ってしまって、数時間後、お隣さんのイビキで目が覚めた。



その後はiPodで音楽を聴きながら本を読んで過ごした。





夕方になってH先生が病室に現れた。



K先生から手術結果についての良い話と悪い話を聞いたかの確認だった。



退院して暫くはゴロゴロしてるしか無いから焦らずゆっくり過ごす事と

長い付き合いになるけど宜しくと、用件だけを手短に言って戻って行った。




退院で少し浮かれていたからH先生の訪問で自分の状況を再認識した。

H先生の訪問はアタシの浮かれ気分を見越したようにベストタイミングだった。



おかげで冷静に戻った。





夜の担当看護士はWさんだった。




消灯前に注射しに来たWさんにお礼を言いたかったのに

何だか色々と込み上げてきて何も言えなくなってしまった。





それから2時間半後、大きな地震があった。


アタシは何故だか旅行先での最後の夜は何かしら起こるのがお決まりなので

ここでもその力が発動したんだと思ったら何だか笑えた。




暫くすると何年振りかも思い出せないくらい久し振りの人から

『地震大丈夫だった?』 とメールが届いた。(震源が近かったらしい)





最後の夜を実感した。





揺れが収まって少しするとWさんが見回りに来た。


大丈夫かと聞かれたけど何も落ちて来ない病室より

沢山の物があるナースステーションの様子の方がアタシには気になった。




TVで地震速報をチェックしたお隣さんは暫くブツブツと一人言を繰り返した後、大きなイビキをかいていた。




耳栓をしていても聞こえる大きなイビキが静になるのを待ってイビキが止まっている間にアタシも眠った。









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