覚えているか!?

そう、今日10月9日は宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルに向けて地球を旅だった日だ


「無限に広がる大宇宙。静寂な光に満ちた世界。死んでいく星もあれば、生まれてくる星もある。そうだ宇宙は生きているのだ……」
のオープニングで始まるアニメ『宇宙戦艦ヤマト』は1974年の作品

時に西暦2199年、ガミラスの遊星爆弾による無差別攻撃によって、最後の時を迎えようとしていた地球


謎の美女スターシャから差し伸べられた唯一の救い手は、14万8,000光年の彼方、大マゼラン雲にあるという惑星イスカンダルまで、放射能除去装置を受け取りに行くというものだった
人類の命運を懸けて地球最後の船宇宙戦艦ヤマトが発進するのは、テレビアニメ版では第3話「ヤマト発進!!29万6千光年への挑戦!!」でのこと
人類滅亡まで、あと363日
日付で言うと2199年10月9日
つまり、181年後の今日……ということになる


オープニングテーマ「宇宙戦艦ヤマト」、エンディングテーマ「真赤なスカーフ」の歌詞は、阿久悠の手によるもの

『宇宙戦艦ヤマト』の物語全体を踏まえた上で、主題歌「宇宙戦艦ヤマト」「真赤なスカーフ」の歌詞をいま一度、じっくり眺めてみると、「ヤマト」のストーリーが内包する、決意、別離、重責、挑戦、希望、望郷、愛……といった要素が、ごく限られた言葉数のなかにある

テレビ番組主題歌の作詞作業とは、当然、番組放送開始前に行われるため、本編は1度も視聴しないままの作業がほとんどで、数少ない資料や情報しか与えられないなかで、物語の主題や製作者の狙い、番組の魅力の中枢を嗅ぎ取り、言葉に紡いでいくという、通常の歌謡曲の作詞に輪をかけて難しい作業となることが常である
しかし阿久悠は「ヤマト」において、まるで全話のフィルムを観終わった後に、じっくりと内容を振り返りながら書いたかのように歌詞を仕上げている

ところで、主題歌「宇宙戦艦ヤマト」「真赤なスカーフ」の2曲の歌詞に共通して現れる言葉がいくつか存在する言葉がある
「宇宙」、「旅立つ」、「はるばる」、「かならず/帰る」、「男」、「ロマン」等がそれだ
このワードを眺めているだけでも、「ヤマト」の物語の本質が見えてくるような気さえしてくる
そしてこのなかで、ひときわ目立つ存在感を放っているのが、「ロマン」
他の言葉は物語設定の外郭を表現する言葉であり、男児向けテレビアニメ主題歌としては極めて素直なものである
しかし「ロマン」は違う
子どもに対して向けられたものではない、「大人の言葉」である
阿久悠は 、あらゆる言葉を削ぎ落として放ったことば、それがこの「ロマン」だったのではないだろうか

本格的なSFアニメに仕上げるという、スタッフの並々ならぬ決意の元に製作された『宇宙戦艦ヤマト』
実際、この作品により「テレビまんが」は「アニメ」へと脱皮したと言われ、視聴層を「子ども」から「青少年」にまで引き上げることに成功する
「アニメは子どものもの」という常識を打ち破る……「ヤマト」が果たした、この歴史的な変革を番組開始前にひっそりと予見し、そのキーワードを主題歌2曲の両方に、隠しコマンドのように埋め込んでいた阿久悠の眼力と、その大胆不敵さ
今や星となった彼が、宇宙の彼方からこちらを眺めてニヤリと微笑んでいる……そんな憎らしい顔が目に浮かぶ




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