「雛人形をしまうのが遅れると、婚期が遅れる」
とよく言われるが、当然迷信であり、これはちゃんと別の意味がある
「片付けが出来ないようでは、きちんとした女性になれず、お嫁さんにもなれない」と、しつけの意味を込めての言い伝えなのだが、まぁ記事は3月3日から2日も過ぎてしまっているがニヤリ
 
ちなみに、雛人形を片付けるのは、「啓蟄けいちつの日」がベストだと言われている
啓蟄の日というのは、二十四節気の中のひとつで、3月6日ごろのことを指すので、とりあえず明日ぐらいには片付けてくださいグラサン
 
 
さて、先日の3月3日は、ご存じ「上巳じょうしの日、桃の節句」だった
 
 
「上巳の節句」は五節句の一つで、元々は3月上旬の上巳の日だったが、後に3月3日に行われるようになり、旧暦3月3日は桃の花が咲く季節であり、桃は邪気払いの力もあるとされていたことから「桃の節句」とも呼ばれ、以前にも何度か記述しているが、節句とは一年の中で節目となる日をいい、「節」とは季節の変わり目という意味で、最も邪気が入りやすい時期とされ、無病息災や豊穣、子孫繁栄などを祈る行事が行われてきた
宮中では、節会と呼ばれる宴会が開かれ、江戸時代にはその中の五つの節会を特に公的な行事と定め、節句と呼ばれた
 
また、「雛祭り」とも呼ばれ、女の子の健やかな成長を願う伝統行事で、女の子のいる家庭では、雛人形を飾り、白酒・菱餅・あられ・桃の花等を供えて祀る行事だ
 
 
「雛祭り」はいつ頃から始まったのか歴史的には判然とせず、その起源説は複数存在しており、平安時代の京都で既に平安貴族の子女の雅びな遊びごとである「ひいな遊び」として行われていた記録が現存していたり、以前にも記したが、中国のある男の嘆きからだとか、同じく中国の上巳の日の身を清める習慣からなど様々だ
ほかにも、実際に女児を生け贄とし捧げ、少女(雛)を生け贄にする(奉る)、即ち雛奉りという単語ができ、「雛祭り」になったといったものもある
 
 
 
 
元来、人型にけがれを封ずることから、一人一式が当たり前で、親子や姉妹などで共有しない習わしだったが、次第にその人形が精巧なものになって流さずに飾っておくようになり、雛祭りとして発展していったともいわれている
 
 
「雛人形」の「雛」とは、「雛形」を略したもので、これには「小さい」という意味があり、「雛人形」とは「人間を小さくした物」
つまり、「自分の穢れを、自分と同じ形をした別の物に移す」といわれ、雛人形は本来、呪具だったともされている
 
 
雛祭りは、宮中や貴族の間で行われていたが、やがて武家社会でも行われるようになっていき、元々は、5月5日の端午の節句とともに男女隔てなく行われていたが、江戸時代ごろから、庶民の行事となり、豪華な雛人形は女の子に属するものとされ、端午の節句は菖蒲の節句とも言われることから、「尚武」にかけて男の子の節句と女の子の節句に別れるようになった
 
 
ひな祭りには、様々なお供えものなどがあり、それぞれに意味が設けられている
 
 
【白酒・甘酒】
元来、桃花を漬け込んだ桃花酒がはじまりで、桃には邪気払いの力があり、江戸の頃から、餅米や米麹に焼酎をいれた白酒が定着していき、桃の花を太陽、白酒を月になぞらえ、日と月を飾るという意味もなされている
 
【菱餅】
中国の上巳節で食べられていた母子草ははこぐさの餅が、日本でよもぎ餅となり、江戸時代に白い餅、明治時代に赤い餅が加わり三色となったとされ、下から「緑・白・ピンク」となっていて、それぞれ「大地・雪・桃」を表し、「雪の下には新芽が芽吹き、桃の花が咲く」という意味がある
ほかにも
緑 健康・生命力
白 清浄・純潔
ピンク 魔除け・厄除け
の意味もあり、親が娘の健康を願う気持ちも込められている
菱形である由来は諸説あるが、インド仏典に──竜に女児を生け贄として捧げる代わりに、女児と同じ味がするという菱の実を差し出してその怒りを鎮めた──というのがあり、これは先述した「雛奉り」にも通ずるものがあり、菱形なのはその菱の実を使い、その形からあやかったと考えるのが有力ではないだろうか
 
【ひなあられ】
近代になって食されるようになったひなあられ
菱餅を砕いて作ったのが始まりとされ、黄色を加え、それぞれ四季を表していて、「一年中、娘が健やかで幸せに過ごせるように」という願いが込められている
 
【蛤の吸い物】
蛤の貝殻は対になっている貝殻でないとピタリと合わさらないことから、仲の良い夫婦を表し、娘の末永い良縁を願う意味が込められている
 
 
このようにひな祭りの食べ物には、娘の健康な成長や良縁を願うものが多く、縁起のいいものが使われており、過去の「雛奉り」が行われてきたことからの罪滅ぼしからか裏返しなのか、しかし親が娘を思う気持ちの本来の姿なのかもしれない
 
 
 
ちなみに、『ひな祭りにおける菱餅は女性器、甘酒は精液を象徴していて、昔の性教育に使われていた』との話も聞くことがあるが、これはどうやら『身体知-身体が教えてくれること/内田樹・三砂ちづる』、及び風俗史関係のサイトからの引用のようで、日本歴史からはそういった資料も残されていない
恐らく、どこからか仕入れた、体のいい噂話だろう
菱餅が女性器というのは、あちらこちらで見受けられるが、きちんとした出典や出所もわからず、伝聞の域を出ず、信憑性もないので、ごく一部の地域や家系で行われてきたのかもしれないが、一般的な事象ではなく、後世に創作されたものとみて間違いないだろう
蛤の吸い物やちらし寿司の見解は、間違ってはないが、性教育のために使われたかどうかということについては疑問が残る
 
 
 
 
 
参考文献───
身体知 身体が教えてくれること/内田樹・三砂ちづる 
人形辞典/ひな祭りの歴史
Today's Trend News/年中行事
Wikipedia/雛祭り
ウォッチ/ひな祭りの菱餅は“女性自身”の象徴!?
 
 
 
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