2023年9月に読んだ本です。次回の部活で返却する本(★印)は持って行きます。
その他の本は読みたいと思ったらLINEでリクエストください。予約も可能です!

 

 

ルビンの壺が割れた(新潮文庫)

ルビンの壺が割れた 宿野かほる

「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」送信した相手は、かつての恋人。facebookで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め・・・。先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。

 

SNSで、結婚式場に相手を残して姿を消した彼女に、元彼から直接メッセージ。

すでに最初から怖って思うけど、二人はやりとりを始める。なぜ彼女が結婚式場へ行かなかったのかが最後にわかる。

なんだか気持ち悪すぎて・・・びみょう〜

 

 

とわの庭(新潮文庫)

とわの庭 小川糸

帰って来ない母を待ち、〈とわ〉は一人で生き延びる。光に守られて、前を向く。暗い淵のなかに身を沈めて仰ぎ見る、透き通った光。「生きているって、すごいことなんだねぇ」。歌う鳥たち。草木の香り、庭に降りそそぐ陽射し。虹のように現れる、ささやかな七色の喜び。ちっぽけな私にも、未来、はあるのだ。読み終えると、あたたかな空気が流れます。

 

目が不自由なとわと母は人との関わりもなく二人で暮らしていた。その母が帰ってこなくなり、とわはひとりぼっちに。部屋の前の庭に咲く花や鳥から季節を感じ、定期的に運ばれてくる生活用日や食料で曜日を知り、周りから聞こえる音を聞き、ひたすら母の帰りをまっていたが、震災後、鳥たちは去り、周りの音も消え、食べるもの尽きて・・・母が帰ってこないと確信したとわはひとり外へ一歩を踏み出す。

助けられたとわは、生きていくためのすべてのことを一から教わり、再び、前の家に戻ってくる。庭に再び花や鳥が戻り、周りから聞こえていたピアノの音の主と知り合い、そして恋をして・・・、人が生きていく力を感じる。

 

 

ばけもの厭ふ中将 戦慄の紫式部 (集英社文庫)

ばけもの厭ふ中将 戦慄の紫式部 瀬川貴次

時は平安。「今源氏」と噂される色好みの貴公子・雅平は、数々の女性と浮き名を流していた。恋文一つ返せないほど奥手な上総宮の姫君、廃屋での逢瀬を約束した昼顔の君など……今夜も恋人と甘い時を過ごすはずの雅平を、紫式部の祟りが襲う!? 『源氏物語』を思わせる怪事に次々と見舞われ、怪異好きの友人・宣能に、たまらず泣きつくが──。恋を追いかけ、あやかしに追われるドタバタ平安怪異譚。

 

ばけもと厭ふ中将シリーズのスピンオフの話。

今源氏と噂される雅平は、源氏物語のような体験と怪異現象を同時体験。末摘花、夕顔、朧月夜、源典侍の話を思い出させる出会いとなぜかそこに併せて怪異現象が。それは本当に怪異現象なのか・・・。

あまりに源氏物語と同じような話が続くため、絵空事のうそを描いた紫式部が地獄へ落ちたという話も出て来て、源氏供養を行うべく、雅平の母の描く絵を奉納することにするが、なんと絵を描く母に異変が!

源氏物語の中で生き霊となってしまった六条御息所。今回も登場か?

来年は大河で紫式部の話ということなので、源氏物語を再読するか、はたまた宇治の源氏物語ミュージアムを再訪するかな。